互助共助コミュニティ型の資源回収ステーション「MEGURU STATION®」を神戸市などで運営するアミタホールディングス株式会社はこのほど、三井住友信託銀行株式会社と「MEGURU STATION事業に対するインパクト評価提携に関する覚書」を締結した。両社は同合意に基づき、MEGURU STATION(以下、同ステーション)でのインパクト評価を共同で実施するとともに、同事業に付随する協業を推進するとしている。

同合意に基づき、アミタグループが全国で展開を目指すMEGURU STATIONを対象に、三井住友信託銀行株式会社が持つインパクト投資の評価手法を用いて、インパクト評価を共同で行う。具体的には、同ステーションがどのように社会的・環境的・経済的なインパクトを生み出すのか、その事業戦略を可視化するロジックモデル(※)を作成する。そのうえで、企業価値の向上に密接に関連する重要なインパクトを特定し、特定したインパクトの実現可能性と現時点でのパフォーマンスを評価する。さらに、特定したインパクトに対する目標の設定、および監視に必要なKPI(Key Performance Indicator)の検討を行う。

MEGURU STATIONは、住民自身が家庭ごみを分別し、資源を持ち込むことで地域のサーキュラーエコノミーを促進する「資源回収機能」と、リユース市やくつろぎの場など世代を超えて住民同士が交流する「コミュニティ醸成機能」を併せ持つ、互助共助コミュニティ型の資源回収ステーション。アミタグループはこれまで、神戸市のほか、宮城県南三陸町、奈良県生駒市、福岡県大刀洗町で自治体や地域住民とともに同ステーションの社会実証・実装を行ってきた。2022年6月には、千葉大学との共同研究により健康増進効果も確認された。今回の三井住友信託銀行株式会社との合意によって、同ステーションが社会にもたらす好影響を客観的かつ定量的に可視化することで、今後の自治体連携と企業連携を推進し、事業展開を加速させることをねらう。

今回の合意について、三井住友信託銀行株式会社チーフ・サステナビリティ・オフィサーの金井 司氏は「深刻化する資源問題だけでなく脱炭素の文脈からも、わが国はサーキュラーエコノミーに向けた動きを加速させていく必要があります。具体化にはさまざまな課題がありますが、とりわけ地域において循環のループを構築することの重要性を考えると、MEGURU STATIONは大変大きな意義を有します。当社としてはまず、技術専門家集団であるテクノロジー・ベースド・ファイナンスチームの科学的知見を活かしたインパクト評価を通じて、取り組みを支援していきます」と述べた。

両社は、2022年12月中に同ステーションについてのインパクト評価のロジックモデルの完成を目指すとしている。

※ ロジックモデル:事業や組織が最終的に目指す変化・効果(アウトカム)の実現に向けた事業の設計図

【プレスリリース】アミタHDと三井住友信託銀行、MEGURU STATION®に対するインパクト評価の共同実施に関する基本合意書を締結
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