消費者庁はこのほど、「環境に配慮した製品である」「堆肥化可能で生分解性である」などと根拠なく製品表示したとして、日本企業10社に対し措置命令を実施した。

10社は、ごみ袋およびレジ袋の販売事業者2社、カトラリー・ストロー・カップなどの販売事業者2社、釣り用品の販売事業者1社、エアガン用BB弾の販売事業者5社。「使い捨てられても約3カ月で、土や海など自然環境中で微生物によって分解され自然に還る」などの生分解性を有するかのような表示をしており、消費者庁は裏付けとなる根拠を示す資料の提出を求めていた。消費者庁は、10社が提出した資料は表示の裏付けとなる根拠を示すものでなく、景品表示法に違反する行為が認められたとして措置命令を実施した。

命令の概要は、「消費者庁が記載した生分解性を有するかのように示す表示を速やかに取りやめること」「景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること」「再発防止策を講じて、役員と従業員に周知徹底すること」「今後、表示の裏付けとなる合理的な根拠をあらかじめ有することなく、同様の表示を行わないこと」である。

消費者庁が今回実施したようなグリーンウォッシュに対する取り組みは、世界で進められている。欧州委員会は2022年、グリーンウォッシュを禁止し製品の情報提供を要求するべく、EU消費者法の改正案を発表した。同年、欧州委は「包装と包装廃棄物に関する指令案」を公表し、バイオプラスチック・生分解性プラスチック・堆肥化可能なプラスチックの使用や表示、および生産についての枠組みを示した。欧州委が公表した見解のように、「環境主張が公正であると保証することで、真に環境に配慮した製品を消費者は選択でき、持続可能な製品の競争が促進され、環境負荷が軽減される」ことが期待される。

【プレスリリース】ゴミ袋及びレジ袋の販売事業者2社に対する景品表示法に基づく措置命令について
【プレスリリース】カトラリー、ストロー、カップ等の販売事業者2社に対する 景品表示法に基づく措置命令について
【プレスリリース】釣り用品の販売事業者に対する景品表示法に基づく措置命令について
【プレスリリース】エアガン用BB弾の販売事業者5社に対する景品表示法に基づく措置命令について
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