オランダ・アムステルダムに本拠を置くサーキュラエコノミー推進機関のCircle Economyは8月3日、カナダ・ケベック州におけるサーキュラーエコノミー移行度のモニタリングを目的とし、ケベック州の政府機関RECYC-QUÉBECとの提携を発表した。

両者は、下記3つの目的達成のため、「Circularity Gap Report for Québec(サーキュラリティ・ギャップ・レポート・フォー・ケベック)」を作成する。

  1. 国際的なサーキュラリティ(循環度)測定法をケベック州の経済の現状に当てはめ、成果を図るための基準値を明確化する
  2. ケベック州がサーキュラーエコノミーへ移行するにあたり、仕組み上障壁となるものを洗い出し、必要な政策手段を明確にする
  3. 産官学横転的にケベック州のサーキュラーエコノミー移行後の全体像を示すことで、移行に向けた取り組みを活性化させ、意識を向上させる

RECYC-QUÉBECは、サーキュラーエコノミーを推進し、気候変動対策に取り組むため、資源のリデュース、リユース、回復(リサイクル)のための施策を主導するカナダ・ケベック州の政府機関だ。数々のプログラムからなるサーキュラーエコノミー戦略を打ち出し、イベントなどを通じて知見を共有している。

今回のパートナーシップはCircle Economyが主導する「サーキュラリティ・ギャップ・レポーティング・イニシアティブ」の一貫として締結された。このイニシアチブは、世界各国や主要セクターのサーキュラリティ・ギャップ(サーキュラーエコノミーに移行するための現在値と目標値の差異)についての現状と知見を提供することで、世界経済のサーキュラリティを可視化するとともに、サーキュラーエコノミーに移行するための手段を特定する。

2018年に初めて発行された「サーキュラリティ・ギャップ・レポート」のなかで、世界経済のサーキュラリティは9%であると明らかにされた。その後、2020年にはこれが8.6%に下がったことを公表していた。世界経済を迅速にサーキュラーエコノミーへと移行するためには、このギャップを埋めていくことが求められる。

研究はこれまでにオーストリア、オランダ、ノルウェーで行われた。今後数ヵ月の間にカナダ・ケベック州の関係各社をイニシアティブに招待し、調査レポートに盛り込む知見を共有するとしている。

【参照記事】CIRCLE ECONOMY AND RECYC-QUÉBEC PARTNER TO MONITOR THE TRANSITION TO A CIRCULAR ECONOMY IN QUÉBEC
【参照サイト】RECYC-QUÉBEC公式Webサイト
【参照サイト】Circle Economyウェブサイト