英国に本拠を置くサーキュラーエコノミー推進団体のエレン・マッカーサー財団は1月14日、企業の事業運営におけるサーキュラリティ(循環性)を計測できるデジタルツール「Circulytics(サーキュリティクス)」を公開した。

同ツールを活用することで、サーキュラーエコノミーへの移行を目指す企業は自社の製品や資源フローのサーキュラリティを定量的に把握・モニタリングすることができるようになる。サーキュラーエコノミーを「概念」ではなく「計測・管理可能なデータ」にすることで、企業のサーキュラリティ向上に向けた取り組みを支援する。

Circulyticsでは、エレン・マッカーサー財団のデータチームが企業の全社規模のデータを分析し、サーキュラリティ向上に向けた進捗を追跡する。また、同時にイノベーションや改善余地がある分野についても洗い出す。

エレン・マッカーサー財団は30社以上と試験を行い、Circulyticsを開発した。同ツールにより、企業は自社が業界の中でどのような立ち位置におり、従来のリニアエコノミーからサーキュラーエコノミーへとビジネスを転換するために取るべき戦略を知ることができる。また、企業が希望する場合は、自社のサーキュラーエコノミーへの移行に向けた取り組みをCirculyticsを通じて投資家や消費者に向け発信することもできる。

サーキュラーエコノミーの概念は非常に幅広く、複数ある調達の選択においても何が最も自社の実質的なサーキュラリティ向上に寄与するのかを特定するのは難しい。自社の進捗や改善余地をデータで示してくれるCirculyticsは、サーキュラーエコノミー戦略の立案や施策の優先順位を決めるうえで大いに役立つ存在となりそうだ。

【参考サイト】Circulytics – the new digital tool which accurately measures circularity
【参考サイト】Circulytics