エレン・マッカーサー財団はこのほど、14~16歳向け無料サーキュラーエコノミー学習ツールを発表した。2021年、同財団は梱包資材大手の英DSスミスと共同作成した11~14歳の子供向け「サーキュラーエコノミー授業計画」を公開しており、今回の学習ツールはこれに続くものとなる。

同ツールは、気候変動とその影響について基礎知識のある生徒を対象としており、スライド・教師用の指導書などの教材から成る。スライドは、以下のような内容で構成される。

  • 従来のリニア型経済の説明:「Take(資源を採掘して)」「Make(作って)」「Waste(捨てる)」
  • 解決法は何か?
  • サーキュラーエコノミーの意義
  • サーキュラーエコノミーの3原則の説明:「ごみ・汚染を出さない設計をする」「製品と材料を使用し続ける」「自然のシステムを再生する」
  • サーキュラーエコノミーについてどう思うか?:「サーキュラーエコノミー移行には何が必要か?」「サーキュラーエコノミー移行によって地球環境はよくなるか?」「サーキュラーエコノミー移行の役割を担うのは誰か?」「そのほかに考慮すべき点は何か?」「サーキュラーエコノミー移行に向けて私たちは何ができるか?」
  • 討論:サーキュラーエコノミー移行は気候変動問題の解決に貢献するか?
  • 温室効果ガスの発生源(製品とエネルギー)
  • 循環型食料システム
  • まとめ・考えの共有

教師用の指導書には、スライドの各ページの説明や授業の進め方などが記されている。60分の基礎編授業と90分の上級編授業の両方に対応している同ツールは、2022年のアースデイに合わせて作成されたが、「私たちが使用し消費している日常生活が、気候変動に与える影響について考える」ことを促している。

現在、さまざまな組織がサーキュラーエコノミー移行に向けて取り組みを進めている。こうしたなか、サーキュラーエコノミーの世界的推進機関であるエレン・マッカーサー財団が、次世代を担う若者にサーキュラーエコノミーについて伝え熟考を促す学習ツールを公開したことは大きな意義がある。同学習ツールで、世界の多くの若者がサーキュラーエコノミーへの理解を深め、行動を開始していくことが期待される。

【参照サイト】Climate Change and the Circular Economy:A Lesson for Earth Day
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