モノの循環の仕組みをつくる環境ベンチャーである株式会社ECOMMIT(以下、ECOMMIT)はこのほど、日本郵政キャピタル株式会社と資本提携するとともに、郵便局を起点とした日本全国での循環型ビジネスモデルづくりを日本郵便株式会社と共に実施すると発表した。

第一弾として、渋谷郵便局(東京都渋谷区)と流山郵便局(千葉県流山市)で、不要品の無料回収・選別・再流通まで一貫して行うオリジナルブランド「PASSTO(パスト)」の展開を4月20日に開始した。

国内トップクラスの回収品目とトレーサビリティシステムで真の循環モデルづくりへ

ECOMMITは、不要品を回収し、全国7カ所にある循環センターで選別・再流通させる循環インフラを持つ。リユース・リサイクル率の算出やCO2削減量のレポーティングを通して、回収から再流通までのモノの流れをデータ化するトレーサビリティシステムを活用し、各企業や自治体の業態や地域特性に合った循環サイクルの実現に向けたサービスを提供している。これまでに30以上の自治体と連携し、衣類を中心に国内トップクラスの品目を取り扱い、全国約1300カ所の拠点からの回収を実現してきた。2022年には伊藤忠商事株式会社と資本業務提携し、日本市場での繊維製品の回収サービス「Wear to Fashion(ウェア・トゥ・ファッション)」とPASSTOの展開を開始した。

今回の両社の提携により、ECOMMITが持つ回収・選別技術・各販売店とのネットワーク力でリユース品として循環させる知見と技術、日本郵政株式会社と日本郵便株式会社が有する郵便局および配送ネットワークを掛け合わせることで、サーキュラーエコノミー移行加速と新サービス創出による郵便局の価値向上を目指すとしている。

具体的には、日本郵便株式会社が渋谷郵便局と流山郵便局にPASSTOの回収ボックスを設置し、持ち込まれた不要品をECOMMITに配送する。ECOMMITは、郵便局に持ち込まれた不要品の選別作業を担う。回収した不要品は、リユース品として再流通させるほか、衣類についてはECOMMITが伊藤忠商事株式会社と取り組むWear to Fashionの仕組みを通じてリサイクルする。一定期間の取り組みの後、環境改善活動、経済活動の観点から事業効果を検証するとしている。

PASSTOの回収拠点に設置される回収ボックス

状態の良い製品の再販や、質の高い再生材へのリサイクルを普及させるためには、廃棄される製品が多く発生するリユース店や地域のリサイクルセンターでの回収を強化すると同時に、消費者の生活導線上に回収拠点を設けることで確実な回収につなげることが欠かせない。両社は今後、今回の取り組みの結果を踏まえて、日本全国の郵便局への取り組み拡大を視野に入れ、日本全国の郵便局をハブにした循環型モデルの形成を目指したい意向だ。

PASSTOによる今回の不要品無料回収の概要は、以下の通り。

  • 開始日:2023年4月20日
  • 回収拠点:渋谷郵便局(東京都渋谷区渋谷1-12-13)、流山郵便局(千葉県流山市西初石4丁目1423−1)
  • 回収品目:衣類、帽子、ベルト、バッグ(やぶれ、しみ、過度な毛玉のある服、肌着、靴下、水着、きもの、学校制服、ユニフォーム、体操着、くつ、スリッパなど履物、靴、アクセサリー類は回収対象外)

【プレスリリース】循環商社ECOMMITが、日本郵便と郵便局をハブにした循環型モデル形成に向けた取組を開始
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【参考サイト】Wear to Fashion
【参考サイト】PASSTO(パスト)
*記事中の画像の出典:株式会社ECOMMIT