独日用品・化学大手ヘンケルは、歯磨き粉チューブを完全に再生可能にする。従来のチューブは、多層構造によりリサイクルが不可能だったが、同社の包装材サプライヤーであるアルベア社と協働し、リサイクル可能にする。スペインの歯磨き粉ブランドLicor del Poloが同社第1号ブランドで、2021年初めまでにすべてのオーラルケアブランドの移行を完了する予定だ。

ヘンケルは、包装から排出されるプラスチック廃棄物を削減する目標に取り組んでいる。同社の全売上高に占めるビューティケア事業の割合は19%で、47%を占める接着技術事業、33%のホームケアに続く。ビューティケア事業部門包装サステナビリティ責任者 フィリップ・ブランク氏は、「私たちはサーキュラーエコノミーへの移行を推進し、野心的な包装に関する目標の達成を追求していきます。アルベア社のGreenleaf技術を導入することで、現在の年間700トンを超える包装材を既存の廃棄物リサイクルシステムで回収・利用します」と述べた。

同氏が言及したアルベア社のGreenleaf技術を利用すれば、回収スキームが機能している場合ならどこでもリサイクルが可能だという。プラスチックリサイクルの業界団体である米国Association of Plastic Recyclersおよび欧州のSuez.Circpackは、Greenleafチューブ技術による製品が、既存の高密度ポリエチレン(HDPE)リサイクル技術でリサイクル可能であると承認した。さらに、同社の製品は、単層ブローフィルムを使用しているため、製品のCO2排出量を大幅に削減できる。

アルベア社は、世界に32拠点を有し、従業員12,000人を抱えるパーソナルケア製品の包装材メーカーだ。同社の販売部門ディレクターであるゾラン・ジョクシック氏は、「ヘンケル社のような大手ブランド企業が、サステナビリティに関する課題の最前線に立っています。弊社とヘンケル社は、目的意識を共有し、課題を解決していきます」と述べた。リサイクル可能なプラスチック包装の展開に加えて、両社は2021年にキャップを含めた世界初のフルHDPEチューブを発売する計画だ。

ヘンケルは、サステナビリティ活動の一環としてサーキュラーエコノミーを促進するために、2025年までに包装100%をリサイクルまたは再利用可能とし、化石由来のバージンプラスチックを50%まで削減する目標を掲げている。すでにパッケージの多くを100%再生材で構成するなど、サーキュラーエコノミーへの移行を加速させている。

【プレスリリース】Henkel’s complete Oral Care tube portfolio will be fully recyclable by early 2021