JFEエンジニアリング株式会社のグループ会社であるJ&T環境株式会社(以下、J&T環境)と協栄産業株式会社(以下、協栄産業)、および株式会社セブン&アイ・ホールディングス(以下、セブン&アイ)は6月21日、国内最大級のPETボトルリサイクル樹脂製造合弁会社「協栄J&T環境株式会社(以下、協栄J&T環境)」にセブン&アイが資本参加することで合意したと発表した。

協栄J&T環境は2021年冬、三重県津市に年間生産能力5万トンのPET再生工場を稼働させ、使用済みPETボトルを原料としてフレークやペレットを製造する計画を公表している。今回の資本参加により、協栄J&T環境はセブン&アイが店頭に設置したペットボトル回収機で集めた廃PETボトルを原料として安定的に受け入れられるようになるとみている。「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」が2022年4月に施行予定であるなど、プラスチックの海洋汚染問題や使い捨てプラスチックに対する法改正が進むなか、セブン&アイはPETボトルの再生工場への出資でプラスチックのリサイクルシステムを強化できるとしている。

セブン&アイの資本参加により、3社のこれまでのPETリサイクルの実績や保有技術を最大限活用し、同事業分野における先進的な活動を推進していく意向だ。今後も3社はサーキュラー・エコノミーへの移行・CO2排出量削減・天然資源の使用量抑制に貢献し、持続可能な社会作りに役立てるよう努めていくとしている。

3社が発表した、これまでのPETリサイクル技術・取り組みは以下のとおりだ。

J&T環境

1997年の容器包装リサイクル法一部施行以来、PETボトルリサイクルに取り組み、近年は協栄産業へ高品質のボトルtoボトル(PETボトルの水平リサイクル)原料を供給している。その他のプラスチックについても、水平リサイクルやマテリアルリサイクルに積極的に取り組んでいる。

協栄産業

日本で初めてメカニカルリサイクル(マテリアルリサイクルとほぼ同義語)によるボトルtoボトル技術を確立し、2012年の100%リサイクル原料による再生PETボトル導入に同技術が使用された。同社のボトルtoボトルの取り組みは循環型社会の先進的なモデルとして、環境大臣賞など多数の表彰を受けている。現在、大手飲料ボトルや繊維メーカーを中心に国内で年間約10万トンのリサイクルPET樹脂を供給しており、同合弁会社の稼働により約15万トンを供給できる予定だ。

セブン&アイ

店頭に設置したペットボトル回収機に顧客が持参した廃PETボトルを長年にわたり協栄産業へ供給している。プライベートブランド「セブンプレミアム」の肌着やオリジナル商品の容器における包材の一部としてリサイクルPET樹脂を使用している。

【プレスリリース】国内最大級のPETボトルリサイクル樹脂製造会社「協栄J&T環境」にセブン&アイ・ホールディングスが資本参加
【参照サイト】協栄産業株式会社
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*冒頭の画像は、2021年冬に三重県津市に稼働予定のPET再生工場完成予想CG(出典:JFEエンジニアリング株式会社、J&T環境株式会社、協栄産業株式会社、株式会社セブン&アイ・ホールディングス)