株式会社LIXILはこのほど、これまで再資源化が困難とされてきた複合プラスチックや海洋プラスチックをはじめ、ほぼすべての種類の廃プラスチックと建築物の解体や補修などから生じる廃木材を融合した循環型素材「レビア」を開発した。「レビア」を使用した第1弾の製品として、歩道・広場・公園・建築外構など幅広い用途に使用できる舗装材「レビアペイブ」を2023年1月10日より全国(離島を除く)で販売開始する。

同社によると、循環型素材「レビア」は、家庭や事業活動から排出される廃プラスチックと建築物の解体などで不要となった廃木材を原料としており、これらの廃棄物を資源として有効活用するとともに、廃棄物処理にかかるCO2排出量の削減に貢献できる。

異素材を一括して細かく粉砕、押出成形する技術を確立

循環型素材「レビア」のイメージ図

プラスチックをめぐっては、ペットボトルをはじめ、市区町村などで選別して回収されるプラスチック製容器包装の再資源化などは進んできた一方で、複数種の樹脂を利用した包装用フィルムなど、従来の手法では素材の分別や原料としての再資源化が難しい製品も多い。こうした中で、同社は多種多様なプラスチックを選別することなく、異なる素材を一括して細かく粉砕し押出成形する技術を確立。複合プラスチックや海洋プラスチックなど再資源化が難しいと考えられてきたほぼすべての廃プラスチックを、原料として有効利用できるようになった。

「レビア」1トンの製造工程で排出されるCO2排出量と、同量のレビアに使われる廃プラスチックや廃木材が焼却処理された場合のCO2排出量を比較すると、82%のCO2排出量の削減につながる。また、「レビア」は水平リサイクルできるため、「レビア」が使用された製品を使用後に回収し、同じ製品として再生させることで循環利用を促進できるとしている。

第1弾の製品となる舗装材「レビアペイブ」は、歩道や、国立公園などの自然遊歩道、オフィスビルや商業施設内の広場、スマートシティなどでの活用を想定。自然や景観に美しく溶け込む、木調のデザインが特長で、独自の表層デザインによって陰影が生まれ、光の加減によってさまざまな表情を楽しめるとしている。歩行性やバリアフリーにも配慮し、高い耐久性、耐候性も実現。強度を維持しながら、舗装材として利用されるコンクリートの半分の重量と軽量化を実現し、施工の負担を軽減するという。

同社の瀬戸欣哉社長兼CEOは「廃プラスチックから新たな価値を生み出す『レビア』は、再資源化率の低さや使用後の廃棄による環境汚染といった世界的な廃プラスチックの課題に対応し、循環型社会の実現に向けた一翼を担う素材になると考えます」と述べている。

【プレスリリース】廃プラスチックと廃木材を融合した新しい循環型素材「レビア」を開発
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*記事中の画像の出典:株式会社LIXIL