三菱ケミカル株式会社(以下、三菱ケミカル)はこのほど、フジシールグループ(以下、フジシール)と共同で、ペットボトルの使用済みシュリンクラベルの再利用に向けた実証プロジェクトを開始することを発表した。同プロジェクトは、サーキュラーエコノミー推進に向けた取り組みの一環であるとしている。

シュリンクラベルは、ペットボトル自体に顔料などを付着させずに必要な表示や遮光機能などを保持できるため、ペットボトルのリサイクル率向上に貢献していると三菱ケミカルはみている。一方で、ラベルのリサイクルの仕組みは確立しておらず、資源循環の観点から対応が求められていると考える。

この課題を解決すべく、三菱ケミカルは長年の顧客であり高いシュリンクラベル設計技術を有するフジシールと共に同プロジェクトを開始するとしている。2021年春に実証プラントを設置して検証を進め、2022年の社会実装を目指す意向だ。

同プロジェクトでは、ラベルが装着されたままのペットボトルから回収されるラベルを対象とする。フジシールの同技術や三菱ケミカルのフィルム設計・製膜技術などを融合することで、使用後のシュリンクラベルから印刷インキを取り除き、新たなシュリンクラベルに再利用するとともに、脱離されたインキの有効活用についても実証検証を行う。

(出典:三菱ケミカル株式会社)

三菱ケミカルホールディングスグループは、中長期経営基本戦略「KAITEKI Vision 30」を掲げている。同戦略のもと、三菱ケミカルはサーキュラーエコノミー推進をKAITEKI(※)実現の重要な要素と位置付け、使用済み製品などのリサイクルはその重要な取り組みの一つであると考えている。同社は今後も、取引先などとの連携を積極的に進めながら、持続可能な社会の実現に貢献していく構えだ。

※ KAITEKI:三菱ケミカルホールディングスグループ独自のコンセプトで、「人・社会・地球の心地よさがずっと続いていくこと」を表す

【プレスリリース】ペットボトルラベルリサイクルの共同実証プロジェクト開始について~サーキュラーエコノミー推進の取り組みを加速~
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