経済産業省は、コンビニエンスストアにおける電子タグ(RFID)を活用した食品ロス削減に関する実証実験を開始した。同実験は、経済産業省委託事業「令和2年度流通・物流の効率化・付加価値創出にかかわる基盤構築事業(IoT技術を活用したコンビニエンスストアにおける食品ロス削減事業)」(委託事業者:伊藤忠商事株式会社)として行われる。

現在、日本の食品ロスの量は年間推計612万トン(※1、平成29年度推計値)で、世界の食料廃棄量は年間約13億トンに上る。人の消費のために生産された食料の約3分の1が廃棄(※2)されており、食品ロスは世界的な課題となっている。

日本の流通業においては、少子高齢化による深刻な人手不足やそれに伴う人件費の高騰、消費者ニーズの多様化が進行してきた。また、サプライチェーンに多くの事業者が存在していることなどが、食品ロスや返品が発生する一因となっているともいわれている。こうした状況を踏まえ、経済産業省は2017年4月にコンビニ各社と「コンビニ電子タグ1000億枚宣言(※3)」を、2018年3月に日本チェーンドラッグストア協会と「ドラッグストアスマート化宣言(※4)」を発表し、RFIDなどを活用したサプライチェーンの効率化を推進してきた。

同事業は、コンビニ店頭における省力化や食品ロスの削減・廃棄率の低下など、サプライチェーンの効率化と生産性向上を目的とし、実証実験を以下のように行う。まず、コンビニ店頭において、弁当やおにぎりなどの消費期限の短い商品の入荷検品時にRFIDを貼り付け、RFIDを読み込める陳列棚(スマートシェルフ)を活用して、商品の在庫情報や販売期限と消費期限をリアルタイムで自動的に管理する。次に、販売期限や消費期限が迫っている商品は、スマホアプリを活用したポイント付与や直接値引きによって販売し、店頭の商品棚に設置したタブレット端末も活用して、ポイント付与などを行っていることを消費者にもわかりやすく告知する。そして実験結果をもとに、廃棄率の低下や省力化などに関する効果を検証する。

実証実験を行う期間と店舗は、下記のとおりだ。

実証実験1:ファミリーマートと連携

実験期間:2020年11月2日~2020年11月30日
実験店舗:ファミリーマート京王プレッソイン池袋店/ファミマ!! ThinkPark店(大崎)

実証実験2:ポプラと連携

実験期間:2020年12月7日~2020年12月28日
実験店舗:ポプラ鬼子母神店/生活彩家 秋葉原駅前店

コンビニエンスストアで、実施が開始された電子タグを活用した実証実験。在庫や消費期限を自動的に管理することで、食品ロス削減と労働生産性向上につながることが期待される、同実験の結果が注目される。

※1:食品ロス量(平成29年度推計値)の公表についてより
※2:世界の食品ロスと食料廃棄より
※3:サプライチェーン全体で食品ロスや返品を削減することを目標に、2025年までにセブン-イレブンとファミリーマート、ローソンとミニストップ、およびニューデイズは年間推計1,000億個の全ての取扱商品に電子タグを貼付けて商品の個品管理を実現するという宣言
※4:サプライチェーン全体で食品ロスや返品を削減することを目標に、2025年までにドラッグストアの取扱商品に電子タグを利用するという宣言

【参考】電子タグ(RFID)を活用した食品ロス削減に関する実証実験を行います