大成建設株式会社(以下、大成建設)はこのほど、AIを活用して建設現場で発生するCO2排出量を効率的に計測・集計するシステムの開発に着手したと発表した。2023年4月までに全建設現場に同システムを導入し、大成建設の環境目標「持続可能な環境配慮型社会の実現」とカーボンニュートラルの実現を目指す。

2050年までに事業活動でのCO2排出量実質ゼロを目標とする大成建設は、2018年より全社員が参画する環境負荷低減活動「TAISEI Sustainable Action」(以下、TSA)の展開や、活動状況を定量評価する「TSAポイントシステム」の運用を開始している。

建設会社では、CO2排出の大部分を占める建設現場で建設機械などから発生する排出量の効率的な把握がCO2削減への取り組みにおける重要な課題となっており、計測・集計システムの構築が望まれていると同社は認識している。これまでの排出量の計測・集計は、建設機械などの稼働状況を調査して規定の燃費情報などにより算出する方法が一般的であったが、データ集計などに時間を要したり、作業が煩雑になったりすることが多かったと同社は考える。

そこで同社は、AIを活用して建設現場で発生するCO2排出量を計測・集計するシステムの開発を開始した。同システムは以下の情報を計測・集計し、建設現場で発生するCO2排出量の効率的な把握が期待されると大成建設はみている。

  1. 建設現場に設置したカメラとAIの画像認識機能を用いて、建設機械の稼働状況から排出量を自動算出する「現場運用情報」
  2. 電気使用量や電子マニュフェストなどの外部の取引会社から提供されるデータである「外部システム情報」
  3. 燃料購入金額など支出・取引データを社内システムで管理する「社内システム情報」

建設現場CO2排出量計測・集計システムの概要(出典:大成建設株式会社)

今後、大成建設は同システムの建設現場への適用を拡大するとともに、全社員が参画する環境負荷低減活動「TSA」に活用し、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みを加速させていく意向だ。将来的には同システムの建設業界への展開を目指し、業界におけるカーボンニュートラル実現へ貢献していきたいとしている。

このほかにも大成建設はカーボンニュートラル実現に向けた取り組みとして、2021年2月、工場の排気ガスなどより回収したCO2から製造する炭酸カルシウムを用いて、コンクリート内部にCO2を固定するカーボンリサイクル・コンクリート「T-eConcrete/Carbon-Recycle」を開発したことを発表している。

【プレスリリース】AIによる建設現場のCO2排出量計測・集計システムの開発に着手
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