大成建設株式会社はこのほど、埼玉県および株式会社ウッディーコイケと「埼玉県森林(もり)づくり協定※」を締結した。

同協定締結に伴い、沖電気工業株式会社が発注、大成建設株式会社施工の「OKI本庄工場H1棟新築工事」で使用した秩父産スギの伐採跡地0.3ヘクタールにおける960本の植樹と5年間の下草刈りの活動に、4組織は共同で取り組む。2022年に竣工したOKI本庄工場H1棟は、延床面積1万8837平方メートル、地上2階、木材使用量206立方メートル。沖電気工業はすでに、埼玉県および株式会社ウッディーコイケと「埼玉県森林づくり」協定を締結している。

自治体・発注者・地元林業者・施工者の4組織が連携し、建物の材料として使用した木材の伐採地を指定して展開する今回の植林活動は、全国でもまれな取り組みであると大成建設株式会社はみている。地域経済の活性化や持続可能な森林活用への貢献が、わかりやすく具現化できることが特徴であるとしている。

図:「森林を対象としたサーキュラーエコノミー」の概念図 (出典:大成建設プレスリリース

大成建設株式会社は、人が安全・安心に暮らせる社会基盤と自然環境の整備を通じて社会に貢献するとともに、植林活動によって地域を活性化し、気候変動によるリスクを軽減するべく、取り組みを進めている。同社は、今回の取り組みを「森林を対象としたサーキュラーエコノミー」活動の一環と位置づけ、今後は全国各地において地域特性に合う地産地消の木材利用サイクルを提案・構築していきたい考えだ。

※ 埼玉県森林づくり協定:埼玉県民共有の財産である森林を守り育てるため、森林づくり活動を展開する。企業・団体・活動場所を提供する市町村など、活動を支援する三組織が協定を結び、協力して森林づくりを進める協定。現在までに52社が協定を結んでいる

【プレスリリース】埼玉県、ウッディーコイケと「埼玉県森林(もり)づくり協定」を締結
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*冒頭の画像は、左から大成建設株式会社関東支店 浅田支店長、埼玉県 大野知事、株式会社ウッディーコイケ 小池社長(出典:大成建設株式会社)