有志のプロダクトデザイナーによるデザインラボ「HONOKA」は、イタリア・ミラノで開催される「ミラノサローネ国際家具見本市 2023」に家具シリーズ“Tatami ReFab Project”を出展する。同見本市は、2023年4月18日~23日まで開催される。

Tatami Refab Projectの目的は、使用済み畳や廃棄される原料を家具として再生し、畳の魅力を次世代に発信していくことだ。制作にあたり、株式会社イケヒコ・コーポレーションが廃棄い草を提供。株式会社ExtraBoldは、同プロジェクトの作品の製造と材料開発を支援した。同社の設備と技術を活用し、廃棄される畳の原料である「い草」を生分解性樹脂(酢酸セルロース)に混ぜた材料をペレット化し、プロジェクト作品用の材料を独自制作した。加えて、HONOKAのメンバーに制作場所と、同社の大型3Dプリンター「EXF-12」および造粒機などの設備を貸与した。

EXF-12は工業用グレードのペレット材も使用できることが特長で、2021年9月から販売されている。造形範囲は1.7mx1.3mx1.0mと広く、最大吐出量は15kg/1時間で高速造形が可能だ。活用用途は家具をはじめ、自動車パーツや住宅関連・大物の樹脂型・鋳造のマスターモデルなど幅広い。

EXF-12で作品を造形しているところ

株式会社ExtraBoldは、技術メンバー・クリエイティブメンバーを中心に、他企業などからの参加メンバーで構成するものづくり研修組織「BOLDGYM」を試行運営している。Tatami ReFab Projectは、BOLDGYMの一部メンバーが自主活動の一環として開始した。今後も、こうしたクリエイティブ支援をBOLDGYMを通じて継続していきたい考えだ。

日本の伝統的な床材である畳。寿命を迎えた畳と最新技術を活用してつくられた同プロジェクトの家具は、新旧の融合ともいえ、今後の展開が期待される。

【プレスリリース】“廃棄される畳のい草と樹脂”を使った3Dプリント家具のミラノサローネ2023出展作品の製造・材料開発を支援
【参照サイト】EXF-12(量産機)​2021年9月リリース!
【参照リリース】ExtraBoldが大型3D積層造形機EXF-12の量産機を発表
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*記事中の画像の出典:株式会社ExtraBold