リモート接続ソリューションを提供する独Team Viewer(チームビューワー)はこのほど、CO2排出回避に関して世界的規模で実施した調査の結果を発表した。

デジタル化を推進するあらゆる規模の企業を支援している同社は、工場の機械やロボット、PCやモバイル端末などの遠隔での操作・制御・メンテナンスを可能にするリモート接続ソリューション「Team Viewer」を提供している。

同調査は2020年10月から11月に、サステナビリティ分野の研究・コンサルティングを行う独DFGEが実施した。EMEA(欧州・中東・アフリカ)とAPAC(アジア太平洋地域)、および南米・北米における同社の顧客企業やユーザーを対象に、Team Viewerを使用しない場合の移動手段に関するオンラインアンケートを行った。データをさらに検証するため、異なる業界・規模の顧客企業を抽出して専門家がインタビューし、定性的評価も実施した。その結果、Team Viewerの利用によりCO2換算で年間約3,700万トンの排出を回避できることが明らかになった。これは以下のような活動に相当する。

  • 自動車約1,100万台の年間CO2排出量
  • 2019年における独ミュンヘン市のCO2排出量の2倍
  • 満席のエアバスA380型機が、シンガポールとニューヨークを7,000回無着陸で飛行した場合のCO2排出量
  • 35億本の木(オーストラリアの森林全体と同等)の年間CO2吸収量

日本におけるCO2排出回避量は、同調査で90万トンに上ると試算された。これは、自動車26万7,000台の年間CO2排出量(ガソリン7リットルで100km走行するディーゼル車の場合)に相当する。また、2019年の実績データと2020年の概算データにより、Team Viewerに1度接続すると、CO2換算で平均13kgの排出を回避できることがわかった。これは、ガソリン5.5リットル分に相当し、東京都から山梨県まで車で走行できる(※)。さらに、Team Viewerの登録者1人当たり、CO2換算で年間平均4トンの排出を回避できることも発表された。Team Viewerの使用により遠隔で行える作業が増え、ユーザーや登録者が回避できる移動距離は年間数百万キロメートルに上ると同社はみている。

気候変動による影響を認識して世界でより多くの人々がCO2排出回避に貢献できるよう、同社はソリューションの用途やユーザーの幅を広げるべく、製品とサービスのさらなる開発と拡充に取り組んでいく意向だ。

同社の最高財務責任者(CFO)であるステファン・ガイザー氏は、「世界中に存在するTeam Viewerのユーザーに当社のリモート接続ソリューションをご利用いただくことで、CO2排出回避に貢献できていることを大変誇りに思います。気候変動を食い止め、よりサステナブルな未来につなげるために、デジタルは重要な役割を果たします。当社は引き続き世界中のユーザーの多様な需要に応え、人とモノをあらゆる種類のデバイスと接続し、CO2排出を伴う移動をせずに必要な作業が遂行できるソリューションの開発と進化に全力を注いでまいります」と述べている。

DFGEの共同創設者であるトマス・ドライア博士は、「カーボンフットプリントについて検証することは、サステナビリティを考察するための最初の一歩です。特に企業が生み出す製品については、生産から使用・メンテナンス・廃棄までを考慮してカーボンフットプリントを算出する必要があり、非常に複雑なプロジェクトです。今回チームビューワーの事業を徹底的に考察し、ユーザーの利用の範囲やプロセス、それに伴うCO2排出量への影響についての調査結果を発表できたことを大変嬉しく思います」と語っている。

※:100km当たり7.8リットルで計算(Statista 2020より)

【プレスリリース】チームビューワー、年間37メガトン相当の二酸化炭素の排出回避に貢献 二酸化炭素排出回避に関するグローバル調査で明らかに