英ウェールズ政府は11日、地方自治体や地域評議会などの公的機関に向けて、グリーンリカバリーを目的とした第2回サーキュラーエコノミー基金を創設した。

第1回のサーキュラーエコノミー基金が成功したことを受け、今回の基金は650万ポンド(約8.8億円)に拡大された。 同基金は、ウェールズでグリーンリカバリーを果たし、可能な限りの資源循環や廃棄物発生抑止を通じて、サーキュラーエコノミーへの移行も実現する。自然環境に利益をもたらすだけでなく、レジリエントな社会基盤を構築し、経済を成長させることにつなげるとしている。

基金のうち320万ポンド(4.3億円)は地方自治体や公的機関を対象としており、企業向けサーキュラーエコノミー基金と並行して運用される。企業向けサーキュラーエコノミー基金は、製品・部品・包装への再生材利用率を高める関連事業に配分される予定だ。

ウェールズ政府は、新型コロナ危機からの回復力を高め、2050年までに脱炭素経済へ移行するためにサーキュラーエコノミーを重要なものとして位置づけている。「ウェールズはすでに英国の他のどの地域よりもリサイクルを行っており、世界で最もリサイクルが進んでいる地域になりつつあります」と、住宅地方自治体担当次官のHannah Blythyn氏は話す。

第1回サーキュラーエコノミー基金では、2019年から20年に34のプロジェクトに3,694,584ポンド(約5億円)が割り当てられた。プロジェクトの例は次のとおりだ。

  • ウェールズ行政区画であるケレディジョン14の学校で、ミルクディスペンサーと再利用可能なビーカーを導入し、プラスチック製ボトルとストローを1日あたり1,979本、年間376,010本削減する。
  • アングルシー島でリサイクル施設を改善し、より簡単に安全に利用できるようにする。
  • ニースポートタルボット州区議会オープンスペースリサイクルイニシアチブによって、町の中心部や人口の多い地域でのリサイクルを改善する。

今回の基金の額は大きなものではないように見えるが、ウェールズは300万人超の地域であることに留意しなければならない。着実にサーキュラーエコノミーへと移行している注目すべき地域として、今後の動向に期待したい。

【参照記事】£6.5m Circular Economy Funding to Support a Green Recovery