フィンランド・イノベーション基金Sitraはこのほど、世界循環経済フォーラム(World Circular Economy Forum、以下WCEF)2021までのイベントの日程と開催場所、内容の詳細を発表した。2020年9月にカナダのトロントで開催予定だったWCEFは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大を理由に2021年への延期が発表されていたが、今回はその続報となる。イベントの開催場所と日程は以下の通りだ。

  • WCEFonline 2020年9月29、30日 オンライン開催
  • WCEF イベント  2021年4月15日 オランダ・オンライン同時開催
  • WCEF2021    2021年9月13〜15日  カナダ(トロント)開催

WCEFonline(2020年9月29、30日)オンライン開催

2020年9月に開催予定のWCEFonlineでは、経済復興におけるサーキュラーエコノミーの実践例が紹介される予定だ。さらに、各国がレジリエンスでグリーンな経済、さらにウェルビーイングを向上させる仕組みを構築するためのツールや解決策が提示されるとしている。

新型コロナ感染拡大により、世界経済は大きな岐路に立たされている。WCEFでは、世界が進む方向に対して、以下のような問いを投げかける。

「従来型の経済活動を続け、さらなる成長を目指すのか。あるいは、すでに始まっている長期的に繁栄できるサーキュラーエコノミーへとシフトするのか」
「サーキュラーエコノミーがさらなるレジリエンスのあるビジネスの構築にどのように役立つのか」
「なぜ持続可能な金融が必要なのか」
「サーキュラーエコノミーの規模を拡大するために政府が今注目すべきことは何であるか」

これらの問いを6つのセッションを通して追求する。また、原材料の依存リスクと機会についても、国や企業などさまざまなセクターと話し合うとしている。当日は、国連環境計画事務局長Inger Andersen氏のほか、欧州委員会上級副委員長 Frans Timmermans氏、オランダ環境大臣Stientje van Veldhoven氏、カナダ環境・気候変動大臣Jonathan Wilkinson、SitraのプレジデントであるJyrki Katainen氏などによる基調講演が予定されている。

「持続可能な回復を確実にするために、自然と調和して繁栄するカーボンニュートラルなサーキュラーエコノミーへの移行を加速させる措置を講じる必要があります」とSitraプレジデントJyrki Katainen氏は開催の意義についてこう話す。

WCEF イベント(2021年4月15日)オランダ・オンライン同時開催

オランダは来年4月15日に、サーキュラーエコノミーと気候変動との関連を主要議題としてハイレベル会合を開催するとしている。今後開催されるCOP(国連気候変動枠組条約締約国会議)でサーキュラーエコノミーを議論の俎上に載せ、議題の優先順位を上げるものとなるだろう。

オランダ環境大臣Stientje van Veldhoven氏は、「サーキュラーエコノミーへの移行は、気候変動目標達成に重要だということは間違いありません。特にコロナ禍においては、サーキュラーエコノミーが、より持続可能な社会を作ることへの費用対効果の高い貢献をすることを認識する必要があります」と話す。

WCEF2021(2021年9月13〜15日)カナダ(トロント)開催

カナダのトロントで2021年9月に開催予定のWCEF2021は北米で初めて開催される。サーキュラーエコノミーへの移行を加速するために必要な実施項目の特定やシステムの転換について議論される予定だ。


【参照記事】Finland, Canada and the Netherlands join forces to advance the circular economy as key to a sustainable recovery

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