CMPコンソーシアムと株式会社NTTデータは2026年10月1日、製品に含まれる化学物質の情報をサプライチェーン上で連携するサービス「製品含有化学物質・資源循環情報プラットフォーム(CMP:Chemical and circular Management Platform)」の提供を開始した。
CMPコンソーシアムは、一般社団法人産業環境管理協会内の業界団体で、製品含有化学物質情報と資源循環情報を適正かつ効率的に管理・伝達する仕組みを検討している。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助事業「ウラノス・エコシステムの実現のためのデータ連携システム構築・実証事業」の支援を受け、NTTデータが基盤開発を担った。同日NEDOが発表した。ウラノス・エコシステムは、経済産業省が推進する、企業・業界・国境をまたぐ横断的なデータ連携基盤の構築を目指す取り組みの総称である。
CMPの主な機能は2つある。1つ目のトレーサビリティ管理機能は、事業者間の取引関係を同一のIDに紐づけて管理・追跡する機能で、各社の機密情報を他の事業者に公開せずに、取引関係に基づいて情報を管理できる。2つ目の情報伝達機能は、化学物質の成分情報や物質含有確認情報などを、指定した相手との間でのみ連携する機能で、規制対象物質の追加・変更時の再調査を効率化し、規制への迅速な対応を支援する。
サーキュラーエコノミーへの移行には、製品に含まれる物質・成分の情報をサプライチェーン全体で適切に管理・流通させることが重要となる。化学物質については、EUのREACH規則などで規制強化が進んでいる。一方で、規制対象物質が追加・変更されるたびに、取引先間でメールなどを使った再調査や情報伝達が必要になり、各事業者の業務負担が課題となっていた。
CMPコンソーシアムとNTTデータは、2026年4月から大規模実証を実施した。実証には想定ユーザー企業や、CMP上で動作するアプリケーションの開発事業者など500社以上が参加し、実運用に向けてアプリの比較や操作確認を進めた。CMPの取り組みには、自動車業界や電機・電子業界をはじめ、幅広い業界の企業が賛同しているという。
CMPは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の助言を受け、IPAが公開するデータスペースの設計モデル「ODS-RAM(Open Data Spaces Reference Architecture Model)」を参照して構築した。また、NTTデータが2024年に提供を開始した、電動車向けバッテリーのカーボンフットプリント情報を企業間で連携する「バッテリートレーサビリティプラットフォーム」で培った、機密情報を保護しながらサプライチェーン間でデータを連携する仕組みも活用している。
両者は今後、化学品、電機・電子、自動車などの関連事業者向けにアプリケーションを提供する事業者と連携し、業界横断で活用を広げる。2028年には数千社の参加を目指す。さらに、製品含有化学物質情報に加えて、部品リユース情報や再生材料情報(含有率、純度、由来)にも連携対象を拡大し、資源循環に関する幅広い情報の流通を支援する。将来的には、業界や国境を越えたグローバルな情報連携基盤への発展を目指すとしている。
【プレスリリース】製品含有化学物質・資源循環情報プラットフォーム「CMP」のサービス提供を開始します
【参照サイト】ウラノス・エコシステムの実現のためのデータ連携システム構築・実証事業
【参照サイト】産業データの安全な流通を実現する連携プラットフォームの提供開始
