気候危機とは?
気候変動は私たちが思っているよりも急激に進み、一刻も早く対策を打たなければ手遅れになる。そんな考えから、気候変動よりもより緊急性を上げて使われるようになった言葉が気候危機だ。英語では「Climate risk」「Climate crisis」「Climate emergency(気候非常事態)」などと呼ばれる。
2019月9月に行われた気候変動に関する政府間パネル(IPCC)にて、国連のグテーレス事務総長が「気候変動はもはや気候危機である。」と発信。気候変動に対する各国の動きを加速するよう促した。IPCCは、下記のような気候変動のリスクを予測している。
- 気温の連続的な上昇
- 極端な気象現象の発生
- 農作地の減少
- 生態系の変化
- 疫病の蔓延スピード上昇
- 北大西洋ドリフトの減衰
人々の最大の関心事といえば気温上昇だ。IPCCの報告書では、気候変動が今のまま続くと、2040年ごろには世界の平均気温が産業革命前より1.5度上昇し、さらなる自然災害や環境面での弊害が出ると指摘している。
気候非常事態宣言
気候危機が迫っている今は非常事態だと宣言し、それに対する具体的な取り組みを自治体単位で行う気候非常事態宣言。
世界で最初に宣言を出したのはオーストラリア・デアビン市である。草の根活動家が政治家に個別に働きかけを行い、2016年に議決にこぎつけた。その後、欧米に拡大し、特に2016年に熱波で93人が死亡したカナダのケベック州では300以上もの自治体がこの宣言に参加。今や世界中で11,00以上(2019年10月時点)もの国や地域、組織が宣言を出している。
日本では、長崎県壱岐市が2019年9月に初めて気候非常事態宣言をし、神奈川県鎌倉市がそれに続いた。壱岐市は、内閣府の「SDGs未来都市」にも県内で唯一選ばれている。日本初のこの宣言は「2050年までにCO2排出量を実質的にゼロにする」など野心的な目標が掲げられたとして、話題となった。
【関連記事】ウォルマート、2040年までにゼロエミッション実現へ。気候危機への対応を加速
(※こちらの記事は、IDEAS FOR GOODの用語集「気候危機」を転載しております。)