環境省が2026年7月21日、「令和7年度補正予算 地域資源の徹底活用に向けた資源循環加速化事業(モデル事業)」の公募採択結果を公表した。

環境省は令和8年4月24日から同年5月27日までの期間、複合素材(金属・木材・プラスチック等)や焼却灰、建設系の木質廃棄物、SAF原料など、従来は再資源化が困難とされてきた資源性廃棄物を対象に、回収・選別・再資源化に関する技術面での実施可能性や事業性を調査分析する事業者の公募を行った。申請書類等をもとに選考会が審査を行った結果、9件の事業が採択された。本事業は、地域で排出される資源性廃棄物を回収・運搬・分別・選別・再資源化等の工程を経て、同じ地域に再生材等として供給する「資源循環スキーム」の構築・拡大につながる実施可能性調査や実証を対象としたモデル事業である。

採択事業のうち、株式会社大林組は、建設解体現場から排出される使用済み窓(廃ガラス・廃アルミサッシ)を対象に、地産地消型リサイクルスキーム構築の実現可能性調査に取り組む。窓ガラスはアルミサッシやシーリング材と一体化した複合構造のため解体時に高純度で回収することが難しく、多くが埋め立てや低品質用途への利用にとどまってきた。国内では建築物の解体・改修に伴い年間50万トン超の廃窓ガラスが発生するとされ、2026年3月には積水ハウス・大栄環境・AGCの3社が窓ガラスを窓ガラスへ再生する国内初の水平リサイクル実証を関西圏で始めている。

株式会社クボタは、再生資源供給サプライチェーンの強靭化に向けた一般廃棄物の全量資源化システム構築事業を実施する。クボタは1961年の水道研究所発足以来、下水・し尿・都市ゴミ処理の研究に取り組んできた企業で、独自の回転式表面溶融炉により焼却灰から金属を回収する「ディープリサイクル」技術を保有している。

株式会社ピリカは、西表島における海岸漂着プラスチックの島内資源循環実証事業を行う。ピリカはこれまでも、人工芝や牡蠣パイプ由来のマイクロプラスチックごみを同じ地域で製品化する「ごみの地産地消」に取り組んできた実績があり、今回の事業もこの流れを汲むものとみられる。

株式会社MOAIは、静岡県内の製茶廃棄物を対象に、鉄媒染技術によるお茶染め製品化と、染色後の廃液の農地還元を組み合わせたカスケード循環システムの構築・実証に取り組む。MOAIはこれまでも天然繊維を回収して再活用し最終的に土に還すプロジェクトや、割り箸を炭にして農家の土壌改良に使うプロジェクトなど、廃棄物を地域内で多段階に循環させ最終的に土や農地に還元する手法を各地で展開してきた。静岡には、茶の製造工程で出る廃棄物を染料として活用するお茶染めに取り組む工房が存在し、茶殻の再利用自体は、飲料大手の伊藤園がアップサイクル事業として進めてきた分野でもある。

このほか、旭化成メディカル(使用済みダイアライザーの資源循環)、アルハイテック(医薬関連産業由来のプラアルミ複合廃棄物)、諏訪広域脱炭素イノベーション協会(天竜川流域松川リジェネラティブ事業)、いであ(特定外来生物ナガエツルノゲイトウの再資源化)、日本エヌ・ユー・エス(真珠養殖かごの資源循環)の5事業も採択された。

本事業は、再資源化が困難とされてきた資源性廃棄物を地域内で再資源化する仕組みづくりの一環であり、環境省は同様の間接補助事業も並行して展開している。

【参照記事】令和7年度補正予算地域資源の徹底活用に向けた資源循環加速化事業(モデル事業)の公募採択結果について
【参照記事】令和7年度補正予算 地域資源の徹底活用に向けた資源循環加速化事業の公募(モデル事業)について
【参照記事】令和7年度補正予算 地域資源の徹底活用に向けた資源循環加速化事業の公募(間接補助事業)について
【参照記事】令和7年度補正予算 地域資源の徹底活用に向けた資源循環加速化事業の二次公募(間接補助事業)について
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