環境省は、中央環境審議会循環型社会部会(第66回)での審議を経て取りまとめられた、第五次循環型社会形成推進基本計画(2024年8月閣議決定)の進捗状況に関する第1回点検結果を公表した。
中央環境審議会は、循環基本計画の着実な実行を確保するため、2年に1回程度、施策の進捗状況の評価・点検を行うこととしている。今回は第五次循環基本計画としては初回の点検にあたり、2025年6月から審議が行われ、点検報告書として取りまとめられた。
点検では、循環型社会の全体像を示す10の指標が用いられた。内訳は、物質フロー指標が6、取組指標が4である。各指標について、2030年度目標に対する達成見込みが評価された。

資源生産性は2023年度に約50.9万円/トンとなった。GDPの増加と天然資源等投入量の減少の両方が影響し、増加傾向にある。ただし、2030年度目標の60万円/トンに対しては「注意が必要」と評価された。
一人当たり天然資源消費量は2021年度に約12.1トン/人・年、再生可能資源及び循環資源の投入割合は2023年度に約30.1%となった。いずれも「注意が必要」と評価された。
入口側の循環利用率は2023年度に約17.0%となった。2013年度以降はほぼ横ばいだが、長期的には天然資源等投入量の減少などを背景に増加傾向にある。出口側の循環利用率は2023年度に約43.6%となった。2013年度をピークに、横ばいから減少傾向が続いている。両指標とも「注意が必要」と判定された。
一方、最終処分量は2023年度に約12.0百万トン/年まで減少した。2000年度比では約79%の削減にあたる。この指標は目標達成見込みと評価された。

取組指標では、循環型社会ビジネスの市場規模が2023年度に約70.6兆円まで拡大し、2030年度目標の80兆円以上に対して達成見込みとされた一方、循環型社会形成に関する国民の意識・行動については、グリーン購入を心がけている割合が69.7%にとどまるなど、「更なる取組が必要」と評価された。
循環経済への移行に関わる部門等由来の温室効果ガス排出量は2023年度に約595百万トンCO2/年で減少傾向が続いている。うち廃棄物部門由来は令和5年度に33.2百万トンCO2eqとなり、ピーク時(平成9年度、44.4百万トンCO2eq)からは大きく減少したものの、平成22年度以降は横ばいに近い水準で推移している。
今回の点検では、第五次循環基本計画のうち「資源循環のための事業者間連携によるライフサイクル全体での徹底的な資源循環」と「多種多様な地域の循環システムの構築と地方創生の実現」を重点点検分野に設定した。
前者では、素材別(化石系・金属系・非金属鉱物系・バイオマス系)の入口側・出口側循環利用率や最終処分量を新たにフォローアップした。バイオマスプラスチックの導入量(2022年度15万トン、2030年度目標約200万トン)については目標値との乖離が大きく「更なる取組が必要」と評価された一方、リユース市場規模(2024年度約3兆5千億円)は増加傾向にあり、認定長期優良住宅のストック数(2024年度約174万戸、2030年度目標約250万戸)は目標達成に向けて進捗しているものの「注意が必要」と評価された。
このほか、プラスチック再生利用量倍増、燃料使用量の10%をSAFに置き換える目標、食品ロス量半減、レアメタルを含むe-scrapのリサイクル処理量を2030年に約50万トン(2020年比5割増)に増加させる目標、家庭から廃棄される衣類量の25%削減、紙おむつ再生利用の自治体拡大といった関連目標の進捗状況もあわせて示された。
後者の重点分野では、地域循環共生圏形成に取り組む地方公共団体数が2023年度に233自治体まで増加した一方、増加ペースは鈍化傾向にあるとされた。1人1日当たりごみ焼却量は2023年度に約662g/人日となり、2030年度目標の約580g/人日に対して「注意が必要」と評価された一方、廃棄物エネルギーを外部に供給している施設の割合は2023年度に43.1%となり、2027年度目標の46%に向けて順調に進捗しているとされた。長期広域化・集約化計画の策定については、環境省が都道府県に対し2027年度末までの策定を求めているが、現時点での策定状況は限定的であるとした。
今回の点検結果は、2026年度に実施される第六次環境基本計画の進捗点検において、中央環境審議会総合政策部会にインプットされる予定である。環境省は、重点点検分野を含む各種施策を引き続き推進し、循環経済への移行を通じた循環型社会の形成を図るとしている。
【参照記事】第五次循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第1回点検結果について
【参照記事】第五次循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第1回点検報告書
