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AIが生む電子廃棄物、2050年までに地球約6周分の量に達する可能性。Basel Action Network報告

国際的な電子廃棄物問題に取り組む非営利団体・Basel Action Network(BAN)は9月16日、AI関連インフラの拡大が引き起こす電子廃棄物の規模を試算したホワイトペーパーシリーズ「The Coming AI Waste Wave」のパート1を公開した。分析によれば、2030年までにAI関連機器の廃棄量は年間860万〜1310万トンに達する可能性があり、これは従来の学術的推計で最も広く引用されてきた数値の40〜60倍に相当するという。

従来の研究がサーバーやGPU(グラフィック処理装置)に限定していたのに対し、BANの分析はネットワーク機器、電力分配設備、データストレージ・バックアップシステム、冷却インフラを含むデータセンター全体の電子機械設備を対象とした。データセンターを構成する電子機械インフラのうち、サーバーやアクセラレーターが占める重量比率は約13%にすぎず、残りの87%が従来推計から抜け落ちていたことが大きな乖離の要因としている。さらにBANは、AI普及によってスマートフォン、PC、エッジデバイス、通信ネットワーク機器など、データセンター外の機器が早期に陳腐化する「AI廃棄物の連鎖(AI Waste Contagion)」も試算に加えており、2050年時点でこの連鎖による廃棄が年間1620万〜3070万トンに達し、データセンター内部からの廃棄(同約1550万トン)を上回ると見込む。

2025〜2050年の累積では、AI関連の廃棄機器が3億9500万〜6億1700万トンに達するとBANは試算している。これは40フィートコンテナ換算で1500万〜2300万個分に相当し、端から端まで並べると地球を約6周する量だ。既存のE廃棄物の発生軌道に加算した場合、世界全体の電子廃棄物発生量は年間1億9600万〜2億1100万トンと、国連推計のベースラインより19〜28%増加し、現在の世界年間総量の3倍超になる可能性があるとしている。

報告書はさらに、AI機器には規制当局が有害性を問題視するPFAS(有機フッ素化合物)が含まれている懸念を指摘した。この点はシリーズのパート3で詳しく論じられる予定だ。また、超伝導電力システムへの切り替え、液冷の普及、新型バッテリー化学への移行という3つの技術転換局面では、まだ使用可能なインフラが一斉に置き換えられる「rip-and-replace(全面更新)」が発生し、廃棄時期がモデルの想定より早まる可能性も警告している。

国連の「Global E-waste Monitor 2024」によれば、現時点でも世界の電子廃棄物のうち適切に収集・リサイクルされている量は約22%にとどまる。今後BANは、廃棄機器の再利用・再製造・転用の可能性(パート2)、廃棄物の毒性(パート3)、政策対応(パート4)を順次公開する予定。

【参照リリース】Basel Action Network “AI E-Waste May be 40 to 60 Times What Has Been Estimated, New Analysis Finds

Circular Economy Hub Editorial Team

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Circular Economy Hub 編集部です。国内外のサーキュラーエコノミーに関する最新ニュースから法規制動向、大企業やスタートアップ企業の取り組みなどを幅広くリサーチし、ニュースとしてお届けしています。

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