「そこに人が住まなくなるのが一番環境に優しいと思いました」

UN University(国連大学)が作成した里海に関する動画のなかで、真珠養殖の発祥地、三重県伊勢志摩・英虞湾(あごわん)の真珠養殖業者はそう発言していた。(引用元:UN Univertiry/里海ー三重県英虞湾

英虞湾
Image via COVA KAKUDA

「人間がいなければいい」。気候変動や環境問題に課題意識をもった際、そんな考えが頭によぎったことがある人もいるかもしれない。しかし、この発言には続きがある。

「でも、それじゃ自分たちはどこで生活するのか。人間が生活し、産業活動をするというのは必ず環境に負荷をかけるわけですし、水産業はまして他の仕事以上に環境に負荷をかけるわけですから、この仕事を持続可能なものにしていこうと思うと、自分たちが率先して環境という問題に取り組んでいかないといけないと思います」

自然環境が悲鳴を上げ続け、その声がようやく多くの人たちの耳にも届くようになってきた今、わたしたち人間は自然との関係性をどのようにつなぎなおし、これからどう自然と共存していけばいいのだろうか。

そのヒントを考えていくべく、今回ハーチ株式会社が運営するIDEAS FOR GOOD、Circular Economy Hub、Livhubの3つの編集部が注目したのが「里海」だ。

里海というのは、人の暮らしと自然の営みが密接な沿岸海域のことを指す。里山と同じように、人と自然の領域の中間点にあるエリアで人と自然が共生する場所だ。健全な里海では人が陸と海の両方に手をかけることで、物質循環機能が適切に保たれ、生物の生産性と多様性が高められることで人間に多くの恵を与えてくれる。里海に暮らす人たちは、日々の営みから、無意識に人は自然の一部だという感覚を持ちやすい。

英虞湾

そうした里海が、さまざまな要因から壊れそうになっている場所で、もう一度豊かな里海の営みを復活させようと挑戦している企業がある。昭和6年の創業以来、90年間真珠事業を一貫して行う覚田真珠株式会社だ。

覚田真珠
Image via 覚田真珠

彼らは本社を三重県・伊勢市に構えつつ、数年前より今回のツアーの舞台となる三重県・伊勢志摩国立公園内にある英虞湾(あごわん)の入り江で、里海再構築活動を行っている。2023年6月にはその一貫として、里海の一部でもある体験型リゾートホテル「COVA KAKUDA」を開業した。覚田真珠はこの一連の取り組みを通じて地域にある環境、社会、経済全ての問題を観光や体験といった方法を交えて解決すべく、活動している。

今回のツアーでは一泊二日の滞在のなかで、覚田真珠が活動する伊勢志摩・英虞湾の「里海」を舞台に、人が自然に関わっていくことで巡りはじめる、リジェネラティブな好循環に関わるなかで、その豊かさを実感する。そのうえで、参加者それぞれが「人と自然の共生」そして「よりよい巡り」について考えを深められるような内容となっている。

旅の流れと旅先案内人

1日目

旅の一日目はまず里海再構築の旗振り役である覚田真珠株式会社 代表取締役、覚田譲治さんの案内のもと山に入り、英虞湾を眺めながら里海の過去から現在、そして覚田さんが目指す未来について話を聞いていく。

リーダー:覚田真珠株式会社 覚田譲治

覚田さん

昼食を挟み、ハーチ株式会社 代表取締役であり世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン「IDEAS FOR GOOD」の創刊者、加藤佑が「人と自然の共生」そして「よりよい巡り」について考えを深めていくためのレクチャーを行う。

レクチャー:ハーチ株式会社 加藤佑

加藤さん

そのうえで、里海で日々活動している地域のみなさんに話を聞きながら、山においては、薪割り・間伐・石積みなどの山仕事を一部体験。五感を使いながら里海循環を促していく。海においては、海苔養殖、光合成細菌を用いた水質改善、牡蠣殻から作られたケアシェルを用いた水質改善などの海仕事を体験する。

山の守り人:竹内弘法

竹内さん

海の守り人:岡部航大

岡部さん

海の再生活動:ケアシェル株式会社 山口慶子

山口 慶子さん

2日目

二日目は地域の抱える大きな課題のひとつである「ごみ問題」についてまず覚田さんに話を聞く。古くから真珠養殖業が盛んな英虞湾だが、過去の養殖業者の負の遺産として、養殖に利用する漁網をはじめとした漁業用具が近隣の島や土地に不法投棄されたり、流れ着いたりしたものが多く残されている。以前、筆者が視察兼モニターツアーに参加した際に訪れた島は、養殖プラスチックごみや生活ごみで埋め尽くされていた。人口が減少し高齢化した地域に住まう、地域住民や水産業者だけでは回収し切れない量だろう。

英虞湾のごみ問題

Image via COVA KAKUDA

英虞湾のごみ問題

Image via COVA KAKUDA

覚田真珠は、こうした海洋ごみの回収や分別を、地域・環境再生活動のひとつとして、観光という枠組みのなかで訪れた人に体験してもらうべく現在体験設計を進めている。また、回収した海洋ごみは廃棄でなくアップサイクルの手法を用いて循環すべく、日本の大手化学メーカーである帝人株式会社や、漁網をはじめとした水産養殖資材メーカーである佐々木商工株式会社などと連携のうえ取り組みを進めている。今回のツアーには各社の担当者も参加を予定している。

今回はこうしたごみ問題の現状を聞いたうえで、「循環経済」に関するレクチャーをハーチ加藤より行う。その後、今後アップサイクル予定の廃漁網の分別などを体験しながら、前日の里海循環の体験もいかしつつ、人と自然の共生やよりよい巡りを促していくためにできることを各自が考えていく。

こんな方におすすめ

  • サステナビリティ・リジェネレーションの概念に興味がある方
  • 循環経済・アップサイクルに興味がある方
  • リジェネラティブ・ツーリズム(再生型観光)に興味がある方
  • 里山・里海に興味がある方
  • 地方創生に興味がある方
  • 人と自然の共生、よりよい巡りについて考えたい方
  • その他、興味がある方であればどなたでも大歓迎

このツアーで体験できること

  • 地域の環境・社会・経済の再生活動に関わることができる
  • 里海循環の仕組み、人を自然の一部と捉え全体のシステムのなかで共に進化すること(リジェネラティブ)の魅力、環境・社会・経済問題を一挙に解決に導く可能性のある観光・体験の魅力を知ることができる
  • 循環型経済の仕組みを知り、考えることができる
  • 近しい課題意識や関心を持つ仲間と出会える
  • 熱い想いをもって里海再構築活動を行う人々に出会い直接話が聞ける
  • 全体の体験を通して、人と自然のこれからの関係性や共生方法、よりよい巡りを起こしていく方法を自分なりに模索するきっかけになる
  • 自然に癒されパワーをもらう
  • おいしいご飯が食べられる!

旅の概要

  • 日程:10月28日(土)・10月29日(日)(1泊2日)
  • 参加定員:12名(先着順となります)
  • 参加費用:税込20,000円
    -ツアー代金に含まれるもの:
    参加費、現地移動、食事3食(1日目 昼・夜、2日目 昼)
    -代金に含まれないもの:
    宿泊費、集合・解散場所である近鉄「鵜方」駅までの移動費、2日目朝食
  • 主催:ハーチ株式会社
  • 共催:日本真珠輸出組合
  • 後援:覚田真珠株式会社

※周辺宿泊施設情報はこちらから参加申込者に追って共有します。また、本プログラムは初回開催のためモニター特別価格にてご参加いただけます。今後同様のツアー実施時に金額が異なる場合がございますがご了承くださいませ。

旅程

1日目(10月28日(土))

10:30:近鉄「鵜方」駅集合・車で移動
11:00:COVA KAKUDAに到着
11:15:里山で英虞湾を眺めつつツアー概要・里海の説明
12:00:ランチタイム・参加者自己紹介
13:00:レクチャー「里海・良い循環とは?」
13:40:フィールドワーク「里海体験(山の部)」
15:10:フィールドワーク「里海体験(海の部)」
17:00:1日目振り返り
18:00:ディナー
20:30:宿に移動、各自入浴・自由時間

2日目(10月29日(日))

8:30:ホテル前に集合・車で移動
9:00:COVA KAKUDAに到着
9:00:英虞湾の里海の課題「ごみ問題」について知る
9:20:レクチャー「サーキュラーエコノミー」
9:40:フィールドワーク「廃漁網の分別・洗浄・回収」
11:40:チーム毎に気づきやアイデアをシェア
12:30:ランチタイム
14:00:全体振り返り
15:00:COVA KAKUDAを出発
16:00:近鉄「鵜方」駅にて解散

食事について

本ツアーには、1日目の昼・夜・2日目の昼の食事が含まれております。

  • 1日目(昼):天然酵母のパンとスープを里海を眺めながらいただきます。
  • 1日目(夜):漁師町の食堂兼居酒屋「田中料理店」で、伊勢志摩の旬の海の幸を味わいます。
  • 2日目(昼):COVA KAKUDAの松本シェフが地元の市場で調達した未利用魚を使ったアウトドアランチをいただきます。

松本シェフ@COVA KAKUDA

松本シェフ@COVA KAKUDA

COVA料理イメージ

※写真はイメージです

ばた貝

※写真はイメージです

お申し込みはこちら

お申し込みは下記よりお願いいたします。お申込みいただいた方に決済に関する情報をお送りさせていただきます。

【お申込みURL】Google Formsよりお申し込みください。
※申し込み期日:2023年10月16日(月)

【参照サイト】日本真珠輸出組合
【参照サイト】覚田真珠株式会社
【参照サイト】COVA KAKUDA
【参照サイト】環境省/里海ネット
【参照サイト】Circular Economy Hub
【参照サイト】Livhub

※本記事は、ハーチ株式会社が運営する「IDEAS FOR GOOD」からの転載記事となります。