コンヴィヴィアルな循環型未来へ。関係性を変容させる「バウンダリーオブジェクト」をどうデザインする?

サーキュラーエコノミーの実現には、循環型バリューチェーンを構築するための動脈・静脈連携や、セクターを超えた産官学民連携など、パートナーシップのデザインが欠かせません。しかし、組織としての目的も時間軸も言語も関心も異なる多様なステークホルダーとつながり、ゼロサムではない共創型の関係を築くことは容易ではありません。

私たちはいかにして、持続可能な循環型の未来というビジョンの実現に向けて、個々が自律しながらも互いに支えあい、ともに繁栄していくコンヴィヴィアル(共愉的)なパートナーシップを構築できるのでしょうか。また、そのようなパートナーシップの実現に向けて、異なるステークホルダー間の関係性をどのように変容させていくことができるのでしょうか。

そこで手がかりとなるのが、「バウンダリーオブジェクト」という概念です。バウンダリーオブジェクトとは、社会学者のSusan Leigh StarとJames Griesemerが1989年の論文で提唱したもので、異なる社会的世界(専門分野・部署・立場)にまたがって存在しながら、それぞれの現場のニーズに合わせて解釈できるだけの柔軟性と、どの現場でも同じものとして認識される堅牢性をあわせ持つ対象を指します。完全には共通の定義や理解を持たない人々同士の協働を可能にする媒介物であり、概念やデータ・ダッシュボードのようなものから、プロトタイプのような具体的なものまで幅広く含まれます。

今回のRefuturingでは、この「バウンダリーオブジェクト」という視点からサーキュラーエコノミーという概念やサーキュラーデザインの実践を捉え直します。素材や製品といった目に見えるものではなく、関係性という目に見えないものをデザインの対象とすることで、どのように異なるステークホルダーの協働を可能にし、環境にも社会にもインパクトをもたらし、経済的にも合理的なサーキュラーエコノミーを実現しうるのかを、参加者とともに考えていきます。

当日は、テーマとなる「コンヴィヴィアリティ」や「関係性」、「バウンダリーオブジェクト」の概念に着目したサーキュラーエコノミーに関する海外の最新論文の紹介に加え、実際に Circular Economy Hub 編集部が企業や自治体との協働プロジェクトの実践において感じたバウンダリーオブジェクトの価値、国内外における具体的な事例の紹介などを通じ、抽象的な概念を実践可能なフレームワーク・ノウハウへと転換し、実際の業務に役立てていただくためのヒントをお届けします。

サーキュラーエコノミーや循環型ビジネスの実現に向けたパートナーシップの構築やデザインに関心がある方、課題をお持ちの方や、コンヴィヴィアリティやバウンダリーオブジェクトという概念に興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご参加ください。

当日のイベントに関わるキーワード

本イベントは、下記キーワードに関心をお持ちの方に大変おすすめです。

#循環者 #循環者経済 #産官学民連携 #動静脈連携 #動動脈連携 #地域関係資本 #バウンダリーオブジェクト #コンヴィヴィアリティ #サーキュラーデザイン #コモンズ

★ 参考記事

イベント概要

イベント名:Refuturing: コンヴィヴィアルな循環型未来へ。関係性を変容させる「バウンダリーオブジェクト」をどうデザインする?
日時:2026年8月31日(月)19:00-21:00(開場:18:50)
定員:30名(先着順)
言語:日本語
場所:オンライン(Zoomで配信いたします)
参加費用
・一般:2,000円
・ニュースレター登録者:1,500円(7月中旬頃配信予定のニュースレター中のクーポンコードをご入力ください)
・Crcular Economy Hub 読者会員:1,000円(ログインの上、本記事最下部記載のクーポンコードをご入力ください)
・Circular Economy Hub コミュニティ会員:無料(Slackにて配信する無料クーポンコードをご入力ください)
・学生 1,000円(大学院生を除く。参加者情報記入フォームに学校名をご記入下さい。)クーポンコード:fP3Bri6g

お申込みhttps://refuturing07.peatix.com

※コミュニティ会員・読者会員の詳細はこちら(コミュニティ会員へご参加いただくと、過去イベントのアーカイブ動画が無料でご覧いただけます。(一部を除く))

当日の流れ

  • 19:00:オープニング・イントロダクション
  • 19:10:インスピレーショントーク
    • 加藤佑( アーティクル株式会社 代表 )
  • 20:10:パネルディスカッション:テーマ「バウンダリーオブジェクトはどのようにデザインしうるのか?」
    • 有福英幸( アーティクル株式会社 代表 )
    • 筧大日朗( アーティクル株式会社 代表 )
    • 加藤佑( アーティクル株式会社 代表 )
  • 20:40:質疑応答
  • 20:55:クロージング
  • 21:00:終了

※上記予定は変更する場合もございます。

スピーカー

加藤佑( アーティクル株式会社 代表取締役 )


社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン「IDEAS FOR GOOD」創刊者。循環経済専門メディア「Circular Economy Hub」、横浜市における循環都市移行プラットフォーム「Circular Yokohama」を展開。企業・自治体・教育機関との連携によりサステナビリティ・循環経済推進に従事。ニッコー株式会社・社外取締役。大学院大学至善館 Circular Futures Design Center センター長・特命准教授。東京大学教育学部卒。

有福 英幸(アーティクル株式会社 代表取締役)


京都先端科学大学 国際学術研究院 特任教授/大阪大学大学院工学研究科 非常勤講師 千葉大学工学部工業意匠学科卒。広告会社にて、企業のブランディングやデジタルコミュニケーション に従事。デジタルクリエイティブの新しい表現に挑戦し、CannesやOneShowなど国内外の広告賞を多数受賞。またサステナブルな社会を目指すwebマガジンを発刊し編集長として運営を手掛ける。ソーシ ャルイシュー、メディアの知見を活かし、より社会的なインパクトを創出すべく、2012年にフューチャ ーセッションズを立ち上げる。クロスセクターの共創による社会イノベーションの実現に向けて、市民参加型のまちづくりや企業主体のオープンイノベーション、産官学民連携プラットフォームの運営など 、多数のプロジェクトを推進。 専門は、共創プロセスのデザインとファシリテーション。特に「バックキャスティング」アプローチに よる未来洞察や社会課題の解決、新規事業の創出を得意とし、共創を促進する人材育成に展開。 注力しているテーマとして、エネルギー、食の観点からのシステムチェンジに注力。 つくりたい未来は、次世代が今よりもよくなる可能性を感じられる社会。

筧 大日朗(アーティクル株式会社 代表取締役)


富士ゼロックスにてソフトウェア開発に従事した後、2007年より同社のコンサルティング部門KDIにて知識経営リサーチ・コンサルタントとして、未来シナリオを基点とした事業革新を支援。2012年にフューチャーセッションズの創業から参画し、2026年6月よりアーティクル株式会社 代表取締役/未来デザイン事業リード。住友化学、味の素、AGC、NISTEPなどとの共創による事業開発・組織開発・地域開発を多数手がける。国際大学GLOCOM客員研究員。慶應義塾大学大学院理工学研究科修士課程修了。現在の関心は、AIとの共創による未来デザインの可能性。SF小説とクラフトビールが好き。