近年、資源を使ってすぐに廃棄するのではなく循環し続けることを目指すサーキュラーエコノミーや、生物多様性の回復に働きかけるネイチャーポジティブ、CO2排出ゼロを目指すカーボンニュートラルなどのキーワードが注目されるようになりました。企業の内外で、社会・環境とのバランスが保たれ、より長期的な視点を持ったビジネスのあり方を模索されている方も多いのではないでしょうか。
そうしたキーワードに取り組むことは環境負荷の軽減に寄与する一方で、それは現在の資本主義の主軸となる枠組みにとどまるシステムでもあります。最近ではそもそもの経済システムのあり方を問い直すために、自然環境を破壊することなく社会的正義を実現し、人々が豊かに繁栄していくことを目指す「ドーナツ経済学」や、エネルギーと資源使用量を減らし、経済成長カーブを意図的に緩やかにする「脱成長」などが盛んに取り上げられるようにもなりました。
経済の土台から見直し、ソーシャルインパクトも創出できる社会は存在しないのか──そんな観点から捉え直すと、これからは「向こう見ずな成長依存」とは異なる方向へ進む必要性があるかもしれません。
そこで日本で今注目されている組織のあり方の一つが「ゼブラ企業」です。これは、複雑な社会課題の解決に挑みながら新たなお金の流れによって経済性と社会性の両立を図る企業のこと。2024年3月1日に、地域の社会課題解決の担い手となるゼブラ企業を輩出すべく、経済産業省・中小企業庁が「ローカル・ゼブラ推進政策」を発表するなど、新たな経済そしてビジネスのあり方として議論の的となっているのです。
そこで今回、同政策においても協働され、ゼブラ企業を国内で普及する要となった株式会社Zebras and Company 共同創業者・代表取締役の田淵良敬さんをお招きし、成長だけに依存しない経済におけるビジネスおよび社会の姿について議論します。
本イベント冒頭では、欧州を中心に高まる、成長至上“じゃない”社会に向けた議論や、実際に欧州で見聞きした企業の事例をハーチ欧州イギリス支部のメンバーから共有します。その後、ゼブラ企業とはどんな組織で日本国内にどんな事例が存在するのか、そして株式会社Zebras and Companyがどのようにゼブラ企業の普及に向けた社会インフラを整えているのかを学びながら、「ゼブラ企業が主流となった未来を想像したらどんな社会経済システムが想定されるか」をともに考えていきます。
こんな方におすすめ
- ゼブラ企業の動向に興味のある方
- データだけではなく、実際に居住する人の体験・感覚も含め、欧州事例の情報を集めている方
- サステナブルなビジネスに関わる方、新規事業開発や投資に関わっている方
- いつもIDEAS FOR GOODやCircular Economy Hubの記事を読んでくださっている方
タイムテーブル
18:50:開場
19:00:オープニング
19:10:編集部より「オルタナティブな経済をめぐる欧州の動向」
19:30:株式会社Zebras and Company 田淵様ご講演「ゼブラ企業のいまと、普及に向けた働きかけ」
20:00:Q&A
20:20:グラフィックレコーディングによる振り返り
20:25:クロージング
20:30:終了
イベント概要
開催日時 | 2024年11月19日(火)19:00〜20:30(会場オープン18:50) |
定員 | 60名(先着順) |
開催場所 | シティラボ東京 東京都中央区京橋3丁目1-1 東京スクエアガーデン6階 |
参加費(すべて税込) | 一般:2,000円、学生:1,500円、Circular Economy Hubコミュニティ会員:¥1,500(Slackにて配信するクーポンコードをPeatix申込画面にてご入力ください) |
参加方法 | Peatixページにてお申し込みください。 |
※当イベントはグラフィックレコーディングを行います。
※キャンセルポリシー:イベント開催日の3日前(2024年11月16日23:59)までにご連絡がない場合は、返金は致しかねます。前日、当日のご連絡も同様です。ご了承いただきますよう、お願いいたします。
※イベントの様子を記録させて頂き、レポート等に使用させていただくことがございます。予めご了承ください
登壇者
田淵 良敬(株式会社Zebras and Company 共同創業者/代表取締役、Tokyo Zebras Unite 共同創設者/代表理事)
日商岩井株式会社(現双日株式会社)を退職後、LGT Venture Philanthropy(リヒテンシュタイン公爵家によって設立されたインパクト投資機関)、ソーシャル・インベストメント・パートナーズ、SIIFなどで国内外のインパクト投資に従事。お金のデザインやグローバルな経験・産学ネットワークから世界的な潮流作り、海外パートナー組成を得意とする。2021年3月にZebras and Companyを共同創業。同志社大学卒、IESE Business SchoolでMBA取得。2022-2024年米国Zebras Unite理事、Cartier Women’s Initiative東アジア地区Community Lead。Impact Collective審査員・メンター。大学院大学至善館准教授。iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授。日本・世界を合わせた「30のゼブラ企業」を掲載した『ZEBRA CULTURE GUIDEBOOK Vol.01 ゼブラ企業が分かるガイドブック「ゼブラ企業カルチャー入門」』を2023年8月刊行。
伊藤 恵(ハーチ欧州・IDEAS FOR GOOD編集部)
ハーチ欧州英国支部。ロンドン在住。一橋大学社会学研究科修了。学生時代は東京・シンガポール・香港などアジアのグローバルシティの公共空間・緑化空間について研究し、その後オフィスのインテリアデザインを手掛ける企業にてプロジェクトマネジメントに携わる。現在はIDEAS FOR GOODでのライティング・編集ほか、欧州現地でのリサーチ・プロダクト制作に取り組む。
仲原菜月(IDEAS FOR GOOD編集部)
四国在住。大学在学中に難民支援NGOや一般社団法人Earth Company、mymizuなどに携わる。スウェーデンに留学し、生態学経済学や脱成長に触れたことが現在の執筆テーマに繋がる。現在は主にIDEAS FOR GOODでのライティング・編集を担当しながら、在住地域のまちづくり活動にも従事。
お申し込み
こちらからお申し込みください:https://zebras-ideas-event.peatix.com/
※本記事は、ハーチ株式会社が運営する「IDEAS FOR GOOD」からの転載記事です。