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オーガニック(有機栽培)とは・意味

オーガニック(有機栽培)とは?

農薬や化学肥料などの化学物質に頼らない、自然界の力を生かした生産方法や加工方法のこと。農産物、加工食品、飼料及び畜産物の生産・加工方法のほか、コットンや化粧品の製造方法、さらにはライフスタイルのあり方としても使われている。

オーガニック(有機栽培)の目的には、有害な化学物質をできるだけ減らすことで食の安全性を高めることと、化学農薬や化学肥料による水・土・大気等の汚染を避けることで環境を保全することの二つがある。最近では、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けてできることとして、オーガニックを推進しようとする動きもある。

「オーガニック」「有機」と表示するための日本国内の認証

日本では、農産物、加工食品、飼料及び畜産物に関しては、有機JASマークの認証を受けた場合のみ、「オーガニック」「有機」という表示をつけることができる。国産品に限らず、輸入品も対象である。

一方、化粧品やコットンなどにはJAS法は適用されず、国が定める認証制度がない。そのため、各事業者が自主的な判断で「オーガニック」の表示をしているのが現状だ。化粧品に関しては、2018年に業界団体の日本化粧品工業連合会が「化粧品の自然・オーガニック指数表示に関する業界ガイドライン」を制定するなどの動きはある。海外の認証を受けることで「オーガニック」と表示している事業者も多数ある。

海外のオーガニック認証

欧米を中心に、多数のオーガニック認定機関がある。日本では化粧品分野で、海外のオーガニック認定を受けている商品が多い。例えば、「ACO(Australian Certified Organic)」(オーストラリア)、「ECOCERT」(フランス)、「NATRUE」(欧州)、「USDA Organic」(アメリカ)などがある。

なお、農産物、加工食品、飼料及び畜産物に関しては、海外の認定を受けているものであっても、日本で「オーガニック」として販売するには有機JASマークの取得が必要だ。

オーガニックと有機、無農薬、減農薬の違い

「オーガニック」と「有機」は同義で、いずれもJASマークを取得していないと表示ができない。一方、「無農薬」と「減農薬」については、消費者に優良誤認を与える可能性があるため、現在では原則表示が禁止されている。

「無農薬」については、「生産過程等において農薬を使用しない栽培方法により生産された農産物」を指す表示だったが、消費者のイメージは「(土壌に残留した農薬や周辺から飛散した農薬を含め)一切の残留農薬を含まない農産物」というもので、優良誤認を招いていた。「減農薬」の表示は、削減の比較の対象となる基準、削減割合、何が削減されたのかが不明確な表示となっていた。

現在では、農薬を使用していない農産物には「農薬:栽培期間中不使用」と、節減対象農薬を使用していない農産物には「節減対象農薬:栽培期間中不使用」と表示し、節減対象農薬を節減した農産物には「節減対象農薬:当地比○割減」又は「節減対象農薬:○○地域比○割減」と節減割合を表示する必要がある。上記のとおりに表示した上で、「農薬未使用」、「農薬無散布」「農薬を使ってません」「農薬節減」「農薬節約栽培」といった表示をすることは認められている。

オーガニックコットン

コットン(綿)に関しては、化学肥料と農薬の大量使用による従事者の健康被害や環境負荷が、1990年代に問題となった。そこで、化学肥料や農薬を使わないで作るオーガニックコットンが生産されるようになった。基準に従って2~3年以上のオーガニック農産物等の生産を実践した上で、農薬・肥料の厳格な使用基準を守って育てられた綿花が、第三者認証機関によりオーガニックコットンとして認証される。

オーガニックコットンの世界共通の認証は、GOTS(Global Organic Textile Standard)とOCS(Organic Content Standards)の2種類がある。GOTSでは、児童労働が行われていないなどの労働面も認証の条件としている。

今後の動き

オーガニック(有機栽培)の製品を選ぶことは、自身の食の安全を守るだけでなく、環境負荷を減らすことにもつながる。環境問題が重視されるようになった今、より多くの人が関心を持つべき生産・加工方法だ。

一方で、欧米に比べ、日本では普通のスーパーでのオーガニック製品取り扱い量は少ない。より多くの店にオーガニック製品が置かれるようになり、特別に意識しなくても、選択肢の中にオーガニック製品がある状態になることが望ましい。

【参照サイト】有機食品の検査認証制度(農林水産省)
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(※こちらの記事は、IDEAS FOR GOODの用語集「オーガニック(有機栽培)」を転載しております。)

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