タイ王国の大手財閥サハ・グループの中核企業でアパレル等の流通・小売を担うICC International Public Company Limited、資源循環サービス「PASSTO(パスト)」を展開する株式会社ECOMMIT、伊藤忠商事株式会社の3社は、タイを起点としたアジアにおけるサーキュラーエコノミーの構築に向けた事業検討に関する覚書を締結したと発表した。

3社は今後、共同で実証実験と事業化調査を開始し、その成果を踏まえてICC、ECOMMIT、伊藤忠タイ会社による合弁会社の設立も視野に入れた協業を進めるとした。

東南アジアの主要経済国であるタイでもサーキュラーエコノミーの構築が求められるなか、タイ国内に強固な小売ネットワークを持つICC、不要品の回収・選別・再流通を一気通貫で担うECOMMIT、グローバルなリサイクルソリューションと貿易ネットワークを持つ伊藤忠商事が連携し、タイ国内における衣料品や生活雑貨の回収・リユース・リサイクルの循環スキーム構築を目指すとした。

具体的には、実証実験と事業化調査を通じて3つの事業展開を検討するとした。

1つ目は、ICCがタイ国内で展開する約1,100の直営小売店舗を回収拠点として活用し、一般消費者から不要となった衣料品や生活雑貨を回収する全国規模のネットワークを構築するというもので、ECOMMITが運営する「PASSTO」を展開するとした。

2つ目は、タイ国内のアパレルブランドを対象に、衣料品の回収から選別、リユース、リサイクルまでを一貫して支援するサービスの提供を検討するというもの。

3つ目は、回収した衣類や雑貨をタイ国内でリユース品として販売するとともに、伊藤忠商事が展開する再生ポリエステル素材「RENU」などを活用したリサイクルを推進するというもので、タイの主要産業である自動車産業向けに再生コットンや未加工繊維を供給するほか、回収品やリユース・リサイクル製品の海外展開も進めるとした。

タイ政府は2021年、国家発展とコロナ後の経済回復のための戦略として「BCG経済モデル(Bio-Circular-Green Economy)」を国家アジェンダに位置付けた。タイ国家科学技術開発庁(NSTDA)が公表する資料によれば、循環経済は2030年までにタイ経済に少なくとも2000億バーツ(GDPの1%相当)の貢献をもたらすと見込まれている。日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査でも、拡大生産者責任による対応がアジア大洋州主要国の政策の柱になっていると指摘されており、タイでは三菱電機とタイ最大級のコングロマリットCPグループがプラスチックリサイクル事業の実現可能性を検証するほか、パナソニックエナジーもタイの流通大手CP Allと乾電池リサイクル事業に取り組むなど、日系企業とタイ財閥系企業による同様の協業事例も見られる。今回のICC・ECOMMIT・伊藤忠商事の枠組みも、こうした政策的な後押しと産業間連携の潮流に連なる。ECOMMITが国内で培った高度な選別・データ化のノウハウが、タイの現場でどこまで生かされるかも注目される。

【参照記事】タイを起点としたアジアにおけるサーキュラーエコノミーの実現に向け、サハ・グループでアパレル等の流通・小売を担うICC・ECOMMIT・伊藤忠商事が資源循環インフラ構築の事業検討に関する覚書を締結
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【参照記事】BIO-CIRCULAR-GREEN ECONOMY
【参照記事】Bio-Circular-Green Economy to be declared a national agenda
【参照記事】JETRO アジア大洋州主要国のサーキュラーエコノミー実態調査
【参照記事】三菱電機とタイ CP グループ、環境価値提供に向けた包括的協力に関する覚書を締結
【参照記事】Panasonic Energy Establishes a Scheme to Collect and Recycle Used Dry Batteries in Thailand
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