アサヒ飲料、伊藤園、キリンビバレッジ、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、サントリービバレッジ&フードの清涼飲料5社は、2026年7月14日、納品時の賞味期限ルールを緩和し、製造ロットの逆転を一定範囲で許容する取り組みを発表した。5社が2024年11月に発足させた「社会課題対応研究会」による取り組みの一環で、物流の2024年問題や食品ロス問題の改善を目指す。

同研究会は2025年11月、5つのテーマを発表しており、「納品時賞味期限の緩和(製造ロットの逆転許容)」はそのうちの一つだった。今回の発表では、この取り組みに賛同したセブンイレブン・ジャパンが、清涼飲料を対象に7月中旬から取り組みを開始することが明らかになった。また、サミットも取り組みに賛同し、7月下旬から一部店舗・一部商品を対象とした実証実験を始める予定だという。

製配販(製造・卸・小売)の取引では、製造ロットの逆転が起きないよう日々輸送で調整が行われているが、調整が間に合わない場合、商品が店頭に並ぶ前の段階で食品ロスが発生していた。研究会は、物流の2024年問題によってトラックドライバー不足がさらに深刻化する可能性を踏まえ、賞味期間が比較的長い清涼飲料について納品ルールを緩和することで、物流負荷と食品ロスの双方の改善につながるとしている。

研究会が実施した調査では、賞味期限や消費期限を気にする人の割合は、精肉や牛乳などの日配品で約6~8割だったのに対し、加工食品では約1~2割にとどまった。ペットボトル飲料については、賞味期限の表示義務がないアイスクリームと同程度の回答結果となったほか、店頭で1か月の賞味期限逆転があっても9割近くが購入すると回答した。これらの結果から、研究会は消費者の購買行動への影響は限定的だとみている。

具体的な取り組みとしては、従来の納品期限内で製造ロットの逆転を一定範囲で認める運用を始めるほか、流通企業側の納品期限・販売期限を維持したうえでの仕組みづくり、製造ロットを揃えるための追加輸送の削減を進めるとしている。

研究会は今後、農林水産省など関係省庁や異業種の物流研究会とも意見交換や協議の場を持ちながら、賛同する流通企業との連携を広げていく方針を示した。

今回の取り組みは、食品業界で長年慣習化してきた「3分の1ルール」に代表される厳格な納品期限管理に対して、清涼飲料という商材特性を踏まえた見直しを図るものといえる。ペットボトル飲料は賞味期限が長く、研究会の調査結果が示す通り、消費者が賞味期限そのものをさほど重視していない商材でもある。納品期限・販売期限自体は維持したままの運用が前提とされている点を踏まえれば、物流負荷の軽減に向けた現実的な一歩と位置づけられる。

もっとも、今回の取り組みはあくまで清涼飲料5社とセブンイレブン、サミットという限られた参画企業間でのものであり、業界全体への波及は今後の他流通企業の賛同状況次第という段階にある。実証実験の結果や参加企業の広がりを、今後も注視していく必要がありそうだ。

【参照サイト】飲料業界『社会課題対応研究会』持続可能な社会の実現に向けた「納品時賞味期限の緩和(製造ロットの逆転許容)」の取り組みについて
【参照サイト】飲料業界『社会課題対応研究会』持続可能な社会の実現に向けた「納品時賞味期限の緩和(製造ロット※1の逆転許容)」の取り組みについて
【参照サイト】飲料業界『社会課題対応研究会』- 製造ロット逆転に関する取り組みについて
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