サントリーホールディングスとTOWINGは3日、飲料工場で発生する茶粕を原料とした高機能バイオ炭の実証実験で、契約茶園において茶葉の品質を維持したまま収量が約30%増加することを確認したと発表した。両社はこの結果を受け、九州地区で高機能バイオ炭の本格製造を開始し、製造残渣を活用した地域循環モデルの構築を進める。

両社は2025年5月から、茶粕などの製造残渣のアップサイクルと、化学肥料の使用抑制による温室効果ガス(GHG)排出量削減を目的とした実証実験を進めてきた。

実験では、サントリーグループの飲料工場から発生する茶粕を原料としたバイオ炭に、TOWINGが保有する微生物群を培養して高機能バイオ炭を製造し、サントリーと契約する茶園に散布した。その結果、第1期、第2期ともに収穫物の品質を維持したまま収量が約30%増加したという。

今回の成果を踏まえ、両社はサントリー九州熊本工場で発生する製造残渣を原料とした高機能バイオ炭の本格製造を開始する。製造した高機能バイオ炭は原料調達先の契約茶園に散布し、地域資源を活用した地域循環モデルの構築を目指す。また、海外においても高機能バイオ炭の製造・活用に向けた取り組みを進めている。

タイでは2025年から、現地で発生するもみ殻を活用して製造した高機能バイオ炭をサトウキビ畑に施用する実証実験を実施しており、現在は第2期に入っている。東南アジアでは農業残渣の野焼きによる大気汚染が深刻な課題となっている。高機能バイオ炭の活用によって、農業生産性の向上だけでなく、野焼き削減による環境負荷低減やGHG排出量削減への貢献も期待されている。

サントリーグループはこれまでも製造残渣を飼料や肥料として活用し、100%再資源化を進めてきた。近年は、より高い付加価値を生み出すアップサイクルを重要なテーマの一つに位置付けている。今回本格製造を開始する高機能バイオ炭は、再生農業の推進に向けた取り組みの一環で、有機肥料を用いた栽培における収量向上や、化学肥料の使用抑制によるGHG排出量削減への貢献が期待されている。

TOWINGは2020年創業の名古屋大学発スタートアップで、「サステナブルな次世代農業を起点とする超循環社会の実現」をミッションに掲げる。同社が展開する高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」は、未利用バイオマスや食品工場残渣を原料にアップサイクルした資材で、有用微生物群を定着させることで土壌環境の改善や作物の品質・収量の安定化に寄与する。また、炭素を農地に長期間固定することでカーボンクレジットの創出も可能としている。

【プレスリリース】サントリーホールディングスとTOWING、飲料製造残渣を活用した高機能バイオ炭を本格製造開始
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