アミタホールディングス(以下 アミタHD)は4月27日、環境省の「令和8年度 脱炭素社会実現のための都市間連携事業委託業務」において、インドネシアおよびインドでの2つのプロジェクトが採択されたと発表した。福岡県北九州市や国内外の企業と連携し、アジア地域での循環型資源事業と脱炭素化を推進する。

環境省の脱炭素社会実現のための都市間連携事業は、日本の自治体や企業が途上国都市と連携し、脱炭素技術導入や制度整備、人材育成などを支援する事業。2026年度の1次公募では31件の応募のうち18件が採択された。

同社は、インドネシアで廃棄物をセメント産業向けの代替原燃料へ再資源化する循環資源製造所について、2027年度の開所を目指し、建設や原料となる廃棄物調査を進める。また、インドでは代替原燃料供給事業の事業性調査を進める。海外事業統括会社「AMITA CIRCULAR DESIGN SDN. BHD.」を中心に、アジアでの資源循環事業を推進する。

インドネシア案件では、バンテン州を対象に「セメント工場と連携した高品質廃棄物由来代替燃料・原料のスケーリング及び多様化事業」を実施する。本事業は、北九州市とバンテン州の都市間連携を軸に、セメント産業の脱炭素化と持続可能な資源循環モデルの構築を進めるもの。2023年度から2025年度までの「フェーズ1」で事業性検証や合弁会社設立を進めてきたが、2026年度からは本格事業化を目指す「フェーズ2」に移行する。今後は、二国間クレジット制度の案件化も視野に入れ、脱炭素効果の可視化や制度連携を進める。

アミタHDは、現地廃棄物の調査結果をもとに代替原燃料の製造・供給体制を整備し、今年秋ごろの建設着工を経て、2027年度中の循環資源製造所開所を計画している。また、日本国内で展開する電子マニフェスト運用支援(EDIシステム)の知見を活用し、インドネシア環境省による廃棄物トレーサビリティシステム構築支援の可能性調査にも取り組む。日本で培った再資源化技術とデジタルによるトレーサビリティの知見を組み合わせ、自治体連携を通じた資源循環モデルの海外展開につなげる狙いもある。

一方、インド案件では、テランガナ州を対象に「脱炭素・循環型エコタウン整備推進事業」を実施する。北九州市と、インド全土で廃棄物処理事業を展開するラムキーグループとの連携のもと、廃棄物再資源化、省エネ導入、制度整備などを包括的に調査する。アミタHDは、リサイクル適性の高い廃棄物が集積する産業エリアを対象に、セメント工場向け代替原燃料供給事業の事業性評価を行う。

インドでは急速な経済成長に伴い廃棄物発生量も増加しており、2030年までに現在の1.5倍に達する見通しだ。こうした背景から、環境インフラ整備と資源循環モデル構築への需要が高まっている。

なお、アミタHDは2024年にラムキーグループと基本合意書を締結しており、今回の調査はその連携を基盤として進められる。

世界的な資源価格高騰やサプライチェーン不安定化を受け、企業や各国政府ではエネルギー・資源の安定確保が重要課題となっている。

アミタHDはこれまで、日本国内やマレーシアで培った再資源化技術を強みに、アジア市場での循環型産業モデルの構築を進めてきた。今回の2案件を通じ、2027年度以降の本格事業展開に向けた基盤づくりを加速させる方針だ。同社は、「AMITA CIRCULAR DESIGN SDN. BHD.」を軸に、アジア地域における脱炭素社会の実現と資源循環の高度化に貢献していくとしている。

【プレスリリース】アミタHD、インドネシアでの循環資源製造所稼働準備とインドでの事業化調査を加速 -環境省の都市間連携事業委託業務に2か国の案件が採択-
【参照記事】令和8年度脱炭素社会実現のための都市間連携事業委託業務1次公募採択結果について
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