一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)は2026年9月1日、「第9回SXアワード(Sustainability Transformation Awards)」の受賞企業・団体を発表した。同賞は第9回より旧「エコプロアワード」から名称を変更したもので、日本市場において事業者・消費者・投資家・市場関係者からの評価が高く、サステナブルデザインを表彰する制度として、優れた取り組みの開発・普及の促進とSXの実現を目指す。
第9回には57件の応募があり、審査委員会および選考委員会による審議を経て、財務大臣賞・農林水産大臣賞・経済産業大臣賞・国土交通大臣賞・環境大臣賞の大臣賞5件、優秀賞5件、奨励賞10件の計20件が決定した。
大臣賞では、財務大臣賞に白鶴酒造株式会社の「酒蔵×畜産 地域企業連携による『サケ炭』アップサイクルモデル」が選ばれた。清酒製造で発生する処理後活性炭を飼料「サケ炭」としてアップサイクルし、廃棄物削減と資源循環を実現する取組で、近隣酒蔵の処理後活性炭の飼料化の仲介も開始し、兵庫県神戸市から西宮市にかけて広がる酒どころ「灘五郷」全体での循環型利用を目指しているという。
農林水産大臣賞は株式会社肥後銀行の「地域ロス削減プラットフォーム『かせする』を活用したサーキュラーエコノミーの実現」が受賞した。売れ残り食品や在庫、空席など地域の未活用資源を再流通させるプラットフォームで、2026年3月末時点でユーザー約2.5万人、加盟店約480店に達している。
経済産業大臣賞は株式会社フクルの「アパレルのエコデザインサービスFiTO」。縫製自動見積りサービスによる過剰生産・廃棄の抑制と、リペアサービスによる製品寿命の延長を提供するアパレルDX・GXブランドで、森林由来カーボンクレジットを活用したCO2排出実質ゼロの衣服生産や、二次元コードによるデジタルプロダクトパスポートを導入している。
国土交通大臣賞は大和リース株式会社の「リース建築が実現する建設業のサーキュラーエコノミー変革モデル」。建物を解体後に整備し繰り返し使用するリース建築を基盤に、外壁パネルのアップサイクル、アルミ建材の水平リサイクル、樹脂部材の再資源化を組み合わせた循環モデルを構築した。
環境大臣賞は、プライムプラネットエナジーアンドソリューションズ株式会社・日本軽金属株式会社・冨士発條株式会社・パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社の4社による「クローズドループ型資源循環 —電池産業におけるアルミ水平リサイクルによるSXの実現—」が受賞した。電池セル用封口板の製造工程で発生するアルミスクラップを同一部品用途へ還流させる水平リサイクルを、原料支給・材料化・部品製造・最終需要という4社の役割分担により社会実装した取組である。
優秀賞(審査委員会賞)には株式会社UACJ・東洋製罐株式会社の「環境負荷を低減した次世代の飲料缶蓋『EcoEnd™』」が選ばれた。合金組織制御技術と成形技術によりリサイクル材使用量を増やしつつ現行品比でGHG排出量を約4割削減し、飲料メーカーは設備投資なしで導入できるという。
優秀賞にはこのほか、AGC株式会社の「循環蛍石からFluon® PTFEへとフッ素国内循環の社会実装」、大成建設株式会社の「グリーン・リニューアルZEB」、川崎CNブランド等推進協議会の「川崎CNブランド及び川崎メカニズム認証制度」、キヤノン株式会社・帝人株式会社の「パートナー共創で切り拓く脱炭素時代の競争力」の4件が選ばれた。
奨励賞は10件選ばれた。受賞企業・団体および取組の詳細は、SuMPOの発表資料で確認できる。
同機構は、今回の受賞案件からSX実践における3つの広がりがみられたと分析した。1つ目は、酒造副産物や食品ロスなど未利用資源を価値へ変える資源循環・アップサイクルの取り組みである。2つ目は、異業種間の連携や地域金融機関を起点とするプラットフォームなど、企業・業種の枠を越えた産業横断・地域連携の取組である。3つ目は、環境負荷の低減に加えて、地域課題の解決や資源安全保障、経済性など複数の価値を組み合わせたSXの実践である。同機構が分析しているように、今回の第9回SXアワードは、エコシステム構築と新たなビジネスモデル、地域で閉じるループを意識した受賞者となっており、サーキュラービジネスモデルの多様化が見られる結果となった。
【プレスリリース】「第9回SXアワード」の受賞企業/団体を発表!|SuMPO
【参照記事】第9回SXアワード 受賞事例発表|SuMPO
