大成建設株式会社は2026年10月27日、株式会社プラントフォームと協働し、同社が出資・運営に関わる高松空港で、低塩水を用いたバナメイエビの閉鎖循環式陸上養殖とアクアポニックスを組み合わせた実証試験を開始したと発表した。
アクアポニックスは、水産養殖(Aquaculture)と水耕栽培(Hydroponics)を組み合わせた言葉で、魚と野菜を同時に育てる循環型の農業システムを指す。同社によると、海産魚介類を対象とする塩水アクアポニックスは国内ではこれまで研究レベルにとどまり、実証事例は限られていた。
今回の試験は、食品残渣を活用した昆虫養殖による飼料化技術を起点とする「地域資源循環型モデルの実証試験」の第一段階となる。地域で堆肥化や焼却処分されてきた食品残渣や廃棄物を使った昆虫配合飼料を検討し、その飼料で育てたエビを地域で消費する。そこで出た食品残渣を再び資源化することで、地域内で完結する陸上養殖モデルの構築を目指す。

養殖業では、飼料の安定確保や生産コストの低減、環境負荷の抑制が課題とされる。同社によると、閉鎖循環式陸上養殖は管理が容易で、安定した生産性や生産物の高付加価値化が期待できる。アクアポニックスを組み合わせることで、水処理コストの低減や環境負荷の最小化も見込めるという。
実証では二つの試験を行う。まず、異なる塩分濃度の下でエビの飼育と野菜の水耕栽培を同時に行い、両者の生育状況を比較して、両立できる最適な塩分濃度を見極める。次に、その濃度で飼育と栽培を行い、エビの排泄物に含まれるアンモニア態窒素の変化や、植物の生育に必要な元素の消費状況などをモニタリングする。これにより、アクアポニックスがエビ養殖にもたらす窒素除去効果などを明らかにする。あわせて、低塩水下で栽培できる野菜の選定や、アクアポニックスが陸上養殖の生産性向上や収益性改善にもたらす効果も検証する計画だ。

生産したエビと野菜は、高松空港内の飲食店の協力を得て、試食・評価も行っている。実証には、水産庁の「養殖業成長産業化提案公募型実証事業」の助成金を活用している。
※冒頭、文中の画像はプレスリリースより引用
【プレスリリース】閉鎖循環式陸上養殖と塩水アクアポニックスの実証試験を高松空港で開始
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