3Rとは
3R は Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の総称。英語ではすべての単語の最初の文字が「R」となるので「3R(スリーアール)」と呼ばれている。
Reduce(リデュース)は、ごみの量を少なくすること。製品を作る際に使う資源の量を少なくすること、長持ちする製品をつくること、製品寿命を長くするためにメンテナンス体制を整えること、身近なところではお店でビニール袋の使用を断ることなどが、Reduceの取り組みの例だ。
Reuse(リユース) は、使って不要になったものを、捨てずにそのままのかたちで使うこと。不用品をリサイクルショップで売ること、不要になったものを譲ること、バザーやフリーマーケットでの売買は、Reuseの取り組み例だ。また、生産者や販売者が使用済みの製品や部品を回収し、修理や洗浄をしたうえで再び使うこともReuseと言える。
Recycle(リサイクル)は、使い終わったものを、もう一度資源に戻したうえで、製品の原材料やエネルギー源として利用すること。新しい製品に使う原料として再資源化する「マテリアルリサイクル(原料リサイクル)」を指す場合と、さらに広い意味で、ごみを燃やす際に発生する熱をエネルギーとして使う「サーマルリサイクル(熱回収)」までを指す場合がある。マテリアルリサイクルの例は、古紙、アルミニウム(アルミ缶からリサイクル)、ガラス(酒などの瓶からリサイクル)など身近にたくさんある。
環境にやさしい行動の順番としては、買う、所有を始める時点でまずReduce(リデュース)することが大事。その次に製品を手放す際のReuse(リユース)を考え、最後にRecycle(リサイクル)に出そう、と提唱されている。
3Rの歴史
Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)という言葉がいつ、どこで生まれたかは今も議論されているが、1970年代のアメリカにおける環境活動で提唱されはじめたスローガンが広まったという説が有力だ。1980年代には、オレゴン州の法律に記され、その後カナダ政府トロント市政策(1990年)にも登場。2006年には歌手で環境活動家でもあるジャック・ジョンソンが「The 3R’s 」を発表。キャッチ―な歌詞で子どもたちに3Rの大切さを訴えている。
日本では2000年(平成12年)に循環型社会形成推進基本法において3Rの考え方が導入され、2004年6月の主要国首脳会議(G8サミット)で、小泉純一郎内閣総理大臣(当時)が、3Rを通じて循環型社会の構築を目指す「3Rイニシアティブ」を提案している。 これを受け、経済産業省が環境と経済が両立する循環型社会を目指すための政策である3R政策が実施し、廃棄物・リサイクル法体系の整備、エコタウン事業のような環境産業の育成などに取り組んできた(※ウェブサイトの更新は2018年で終了している)。
3Rの具体例
下記に、項目ごとの事例をまとめた。
消費者として
Reduce(リデュース)
- マイバッグを持ち歩き、無駄な包装を断る
- 洗剤やシャンプーを買う際、詰め替え容器に入った製品を選ぶ
- 修理をしながら長く使う
- レンタルやカーシェアリングなどを利用する
Reuse(リユース)
- フリーマーケットやリサイクルショップの利用
- 不要になったものをまわりの人に譲る
- 開発途上国や被災地の支援団体に、不要となったものを提供する
Recycle(リサイクル)
- 資源ごみの分別回収に協力する
- リサイクル素材でできた製品を買う
事業者として
Reduce(リデュース)
- 耐久性が高く修理しやすい製品を作る
- 修理や点検などのアフターサービスの充実を図る
- 食品ロスを削減する仕組みを作る
Reuse(リユース)
- 製品の設計の際に、リユースがしやすいように工夫する
- 使用済みの製品を回収し、部品、容器などを再度使う
Recycle(リサイクル)
- 使用後のリサイクルがしやすい製品を作る
- 使用済みの自社製品の回収・リサイクルに努める
3Rの今後
近年では、3RにRefuse(リフューズ:不要なものはもらわない)を加えた「4R」や、さらにRepair(リペア:修理する)を加えた「5R」も広まってきた。他にもRから始まる環境にやさしい取り組みを加えることもある。
日本では近年、3Rが自治体の取り組み、学校教育などでも提唱されているので、今後もさらに言葉が広まり、定着していくことだろう。言葉を知った先の「行動」にどうつなげていけるかが、今後のカギとなる。
【参照ページ】【まとめ】プラスチック削減に向けた、大手企業10社のCSR事例
【参照サイト】3R推進協議会
【参照サイト】3R推進キャンペーン(環境省地球環境局)
【参照サイト】The Story Behind “Reduce, Reuse, Recycle”(PANTHEON ENTERPRISES)
【参照サイト】小学生のための環境リサイクル学習ホームページ(資源・リサイクル促進センター)
【参照サイト】3Rイニシアティブ
【参照サイト】3Rイニシアティブの概要(外務省)
【参照サイト】3R政策(経済産業省)
(※こちらの記事は、IDEAS FOR GOODの用語集「3R」を転載しております。)