AI(人工知能)とは?
人工知能の厳密な定義はないが、一般的には「人間のような知能を人工的につくりだしたソフトウェアやシステム」のことを指す。英語ではAI(Artificial Intelligence)と呼ばれる。
AIの構造のポイントは2つ。人間の意思決定能力を模倣した「エキスパートシステム」と多層のニューラルネットワークで自動的に学習する「ディープラーニング(Deep Learning: 深層学習)」だ。
ディープラーニングは、コンピュータが大量のデータから学習し、そこで得た知識から判断・推測をするものだ。学習のためには質の高いビッグデータを必要とするため、データやモデル設計等によっては成果が左右され、過学習をおこすと性能をうまく発揮できない場合もある。
AIは、コミュニケーションの微妙なニュアンスの理解や、データに基づかない非理論的思考、人の精神状態や気持ちを察するなど生身の人間には劣る分野もある一方、画像認識、単純労働、計算、共通点の発見などの分野では、人間よりはるかに優れたパフォーマンスを発揮する。
AI(人工知能)の歴史と未来
AIの歴史は古い。1940年代、ディープラーニングに欠かせないニューラルネットワークの原型となる脳細胞(ニューロン)の構造モデルがつくられた。1960年代には第一次AIブームが訪れ、その後の第二次AIブーム、そして2010年代のディープラーニングのブレイクスルーで第三次AIブームにつながる。
このブレイクスルーは、生物が目を獲得し、現在につながる生物の門が一気に出揃った「カンブリア爆発」にも例えられた。一方で将来、高度化するAIが人間をはるかに上回る知能を持つ「シンギュラリティ(技術的特異点)」が来るとも言われている。
AI(人工知能)による産業・社会の構造変化
自然言語処理や経験から学び改善するといった、以前は機械では無理だと思われていた作業を可能にするAI。これからAIは医療、農業、人事、製造、流通といったさまざまな産業に役立てられ、人の作業を軽減する、または完全に人にとって代わっていく。
流れ作業、配送用の箱詰め、会計の計算といった単純労働の自動化からビッグデータによる高度な分析、自動車、ドローン、飛行機の自律運転等の複雑な作業に至るまで、AIは幅広い分野において世の中を変革していくだろう。
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(※こちらの記事は、IDEAS FOR GOODの用語集「AI(人工知能)」を転載しております。)