ディープラーニングとは?
ディープラーニングは機械学習の一つだ。神経細胞(ニューロン)を模して数式化した多層のニューラルネットワーク(ディープニューラルネットワーク)を重ねることにより学習精度を高める。その組み合わせで、基本的なことから高度なことまで表現することができる。
そのコンセプトは古くから存在したが、カナダのトロント大学およびグーグルの研究者であるジェフリー・ヒントン氏らの研究成果がきっかけで、2010年代にブレークスルーを起こした。
ディープラーニングは、近年のAI(人工知能)の進歩において中心的な役割を担う技術で、音声認識、画像認識、物体検出といったさまざまな分野に応用可能で、急速に普及している。
ディープラーニングの学習方法とその応用
ディープラーニングは、膨大なデータに基づいた計算により、有効な学習を行うことが出来る。学習には定説な入出力の組合せを提示して正しい答えを導き出す「教師あり学習」、拘束条件により入力のパターンを分類化や抽象化する「教師なしの学習」、結果やその途中でどの程度良いかの報酬信号を示し向上に努める「強化学習」がある。
ディープラーニングのブレークスルー以前は、人間が指定するニューラルネットワークを使用していたが、2012年頃を境にディープラーニングにとってかわり、性能が劇的に向上した。
たとえば、ディープラーニングで精度が上がった画像認識技術により、工場ではこれまで人の目視で行っていた検品作業を機械で行うことができるようになった。また、人の声を聞き取り、それを理解し、回答をすることができるため、自動音声による案内も導入が進んでいる。
ディープラーニングは、人間の脳回路でおこなう思考に近く、人間により近い作業を実現する。その処理能力は日進月歩で、チェスや囲碁で人間に勝つほどの性能に到達している分野もある。一方で、情報に基づき、判断するため、実例が乏しいようなことについて回答するのには難がある。
ディープラーニングのつくり出す技術の大きなうねり
ディープラーニングに適したプロセッサ等、パフォーマンスを更に向上させるための周辺技術の開発も積極的に行われており、相乗効果で大きな成長のスパイラルを形成している。ディープラーニングは一過性で終わるものではなく、テクノロジーの発展に大きく寄与していくだろう。
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(※こちらの記事は、IDEAS FOR GOODの用語集「ディープラーニング」を転載しております。)