ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス（ZEH）とは？
高い断熱性能、効率の良い設備システム（省エネ）、再生可能エネルギーを生み出すソーラーパネルなど（創エネ）を備え、年間エネルギー消費量収支ゼロを目指す住宅のこと。
日本で消費されたエネルギー量における家庭部門の割合は14%（2011年度）と高く、近年、住宅の省エネが重量課題となっている。そこで、政府は2014年に「2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」という目標を定めた。
断熱性能と省エネを促す高効率設備システム
冬暖かく、夏涼しく過ごせる、気密性と断熱性の高いZEHでは、断熱性能を高めるために、高性能断熱材や高断熱窓などが使用される。
省エネを促す効率の良い設備システムとして、省エネ換気（熱を回収する換気システム）や高効率の空調や照明や給湯、およびHEMS（Home Energy Management System）などが挙げられる。HEMSは、家庭のエネルギー管理システムのこと。家庭における電力使用量を「見える化」し、モニターでチェックしたり、空調や照明などをスマホなどから遠隔制御したりすることによって節電を促す。政府は2030年までにHEMSを全世帯へ普及させることを目標としている。
ZEH促進のための補助金
政府は、ZEHの要件を満たす戸建住宅および集合住宅の新築・改修をする人に補助金を交付することで、ZEH普及の推進を促している。
受注する住宅のうちZEHが占める割合を2020年までに50％以上とする目標を宣言・公表したハウスメーカー、工務店、建築設計事務所、リフォーム業者、建売住宅販売者等は ZEH ビルダーと呼ばれ、2018年の1月の時点で、その数は6,300社以上にのぼっている。
環境にやさしいだけでなく、快適に生活できるような高い性能を持ったZEH。今後ますます普及し、ZEHを選ぶ人が増えれば、人々は無理なく気候変動に対するアプローチができる。家選びの基準も変わりつつあるのかもしれない。
【参照サイト】ZEH（ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス）
【参照サイト】部門別エネルギー消費の動向
【参照サイト】グリーン政策大綱（骨子）
【参照サイト】ZEHに対する各省補助金
（※こちらの記事は、IDEAS FOR GOODの用語集「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス（ZEH）」を転載しております。）
