化学製造企業の米イーストマンはこのほど、フランスのプラスチックリサイクル施設への最大10億ドル(約1,150億円)の投資を仏エマニュエル・マクロン大統領と共同発表した。

イーストマンのポリエステル再生技術を使用する同施設は、現在焼却処分されているリサイクル困難なプラスチック廃棄物を年間最大16万トンリサイクルする予定だ。同技術と再生可能エネルギーの使用により、従来の生産工程より温室効果ガス排出量を最大80%削減するとしている。プラスチック廃棄物と気候変動への対応には、サーキュラーエコノミーが鍵になるとイーストマンはみている。

同施設には、混合プラスチック廃棄物を処理するユニット、廃棄物を解重合するメタノール分解ユニット、特殊用途・包装用途・繊維用途のさまざまな素材を製造するポリマーラインが建設される。世界的ブランドであるLVMH Beauty(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン)・エスティローダー・クラランス・P&G・ロレアル・ダノンは、同施設からの複数年の供給契約の仮契約書に署名した。

イーストマンは、代替リサイクル法と活用を推進する分子リサイクル・イノベーションセンターの設立も計画している。リサイクル施設とイノベーションセンターは2025年までに稼働し、約350人の雇用を創出し、リサイクル・エネルギー・インフラ分野でさらに1,500人の間接雇用を生み出すとしている。

【プレスリリース】イーストマンが、フランスに世界最大級の分子プラスチックリサイクル施設を建設し循環型経済を加速させるため、最大10億ドルを投資
*冒頭の画像の出典:イーストマン