環境省は2026年10月27日、「令和8年度脱炭素型循環経済システム構築促進事業(うち、プラスチック等資源循環システム構築実証事業)」の委託事業について、公募結果を発表した。テーマ「マイクロプラスチックによる汚染防止のための化石資源由来素材からの代替実証事業」で、いなほ化工株式会社の事業1件を選定した。
いなほ化工の採択事業は「コメを原料に含んだ生分解性樹脂からのグリーンケミストリー的な徐溶性被覆肥料の開発と普及実証事業」。食用に適さないコメなど、活用されていない資源を生分解性樹脂と組み合わせ、成分がゆっくり溶け出す肥料を開発・実証する。まず、コメと生分解性樹脂を混ぜ合わせた材料をつくり、その材料で肥料の粒を覆った「被覆肥料」と、材料に肥料を練り込んだ「混練肥料」の2種類の肥料をつくる。製造には、有機溶剤の使用を抑えた、環境への負荷が少ない方法を用いる。そのうえで、水中で肥料から窒素がどのくらいゆっくり溶け出すかを調べる試験と、実際の田畑での試験を行い、作物の育ち方や肥料としての効き目を評価する。
本事業は、非生分解性プラスチックの使用と環境への流出を減らすとともに、未利用の地域資源の有効活用と製造工程の環境負荷の低減を目指す。
環境省は、2019年5月31日に策定した「プラスチック資源循環戦略」の基本原則である「3R+Renewable」にもとづき、従来型の化石資源由来プラスチックの利用を段階的に改めるとしている。その一環として、バイオプラスチックなど再生可能資源への転換や、プラスチック・廃油のリサイクルプロセスの構築を推進している。同戦略は、2030年までにバイオマスプラスチックを約200万トン導入する目標を掲げている。一方、日本バイオプラスチック協会の推計では、2024年の国内のバイオマスプラスチックは11.86万トンにとどまり、目標との開きは大きい。
令和8年度事業の公募は、2026年4月17日から5月29日まで実施した。応募案件は、申請書類による事前審査と、有識者で構成する評価審査委員会による審査を経て選定した。
【参照記事】環境省|令和8年度脱炭素型循環経済システム構築促進事業 (うち、プラスチック等資源循環システム構築実証事業)(委託) の公募結果について
【参照記事】環境省|事業概要(いなほ化工株式会社)
【参照記事】環境省|プラスチック資源循環戦略(概要)
【参照記事】日本バイオプラスチック協会
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