独デザインスタジオPentatonicがこのほど、アメリカの歌手ファレル・ウィリアムス氏のクリエイティブブランド「I Am Other」とのコラボレーションにより、廃棄CDを活用したカトラリーセット「Pebble」を発売した。
Pebbleは、丸みを帯びたケースの中に、ナイフ・フォーク・スプーン・ストロー・箸が入ったカトラリーセットで、持ち運び用クリップが付いており軽量である。
同製品は2つの点で持続可能性を追求している。
まず、今回のパンデミックで、多くの飲食店が衛生面を考慮し、食品提供時に使い捨て包装容器やカトラリーを使用し始めたため、廃棄物が急増し大きな問題となっている。しかし、外食の際にこのカトラリーセットを持ち歩くことで、衛生面での安全を保ちつつ、使い捨てカトラリーの使用を減らすことができる。
Image via Pentatonic
次に、この製品は部分的に再生素材で作られている。例えば、ケースのプラスチックは、廃棄CDの素材を活用。大まかな工程は、CDの表面の金属が取り除かれ、ポリカーボネートは粉砕、ペレット状にし製造工程に入るというものだ。また、持ち手のプラスチックは、食品パッケージをリサイクルして作られる。衛生面にも細心の注意を払うという。
2005年以降、音楽の楽しみ方がCDやDVD購入型から音楽ストリーミング配信型に移行したことで、アメリカだけで100億枚ものCDやDVDが処分されていると同社は推定している。
Pentatonicは、原材料を恒常的に循環させるというサーキュラーエコノミー原則を事業の柱に据える、デザイン・テクノロジー企業だ。持続可能な生活を送りたい消費者向けの製品を制作。これまでに、スターバックスやバーガーキングなどの企業ともコラボレーションを行っており、美しく魅力的な、廃棄物からできた製品などを数多く生み出している。Pebbleも例に漏れず、Pentatonicが自社買取を行い、再生させている。
ファレル・ウィリアムス氏はアメリカの歌手・音楽プロデューサー・ファッションデザイナーであり、I Am Otherは2011年に同氏が設立したレコードレーベル・アパレルブランドだ。
Pebbleは、この両者の初のコラボレーションアイテムで、使い捨てプラスチックが引き起こす問題に対して何か行動を起こしたいという情熱により生み出された。この製品はもともと、お祭りや外食シーンで持続可能な選択を求めている消費者層を対象としていたが、今回の世界的なパンデミックにより引き起こされた問題により、その必要性が予想を超えて大きく高まったといえる。Pebbleのようなサーキュラー型製品は現状の打開策になりうる可能性を秘めている。
【参照サイト】Pentatonic
【参照サイト】OTHERWARE