清水建設株式会社と東京科学大学は8月17日、既存建物の価値を最大化する「建物アップサイクル技術」の確立に向け、産学協働の研究拠点を立ち上げた。両者の知見を融合させ、建て替えや改修に代わる新たな選択肢「建物アップサイクル」の実現に向けた研究・技術開発を進める。

東京科学大学内に新設した「清水建設みらいの建築生産協働研究拠点」は、既存建物における構造体の再利用と外装リノベーションをテーマとする研究拠点。設置期間は2029年7月31日までの3年間で、これまで十分に確立されていなかった構造体再利用と外装リノベーションの技術革新をリードする。

共同研究が目指すのは、新たな建築生産モデルの構築だ。柱・梁・床などの主要な構造体を再利用する技術と外装リノベーション技術を高度に組み合わせ、新築よりも低コスト・短工期でありながら、既存建物を新築に劣らない構造性能・環境性能・意匠性能を持つ建物へとアップグレード再生する。

背景には、建物の脱炭素化をはじめとする環境対応の要請と資材価格・労務費の高騰があり、両者は主要構造体の再利用がサーキュラーエコノミーの観点からも高い環境価値を持つとしている。大手ゼネコンの間でも建材再利用・資源循環に関する数値目標の設定が相次いでおり、今回の取り組みもこうした流れの延長線上にある。

なお、主要構造体の一部を再利用して新たな建物を建設する手法自体は既に実践例があるものの、既存構造体を再利用する際の健全性評価手法や、評価結果に基づく耐用年数の予測手法・判断基準は現時点で確立されていない。外装リノベーションについても、外壁カバーリング工法や二重サッシ工法など既存の技術は存在するが、いずれも既存外装材をベースに機能・性能を付加するものが中心で、デザインを大きく変える自由な設計は難しいのが現状という。

今後は建材メーカーなどの参画を促しながら新技術の開発を推進するとともに、共同研究の成果や開発技術を早期に実プロジェクトへ適用していく方針だ。

【プレスリリース】清水建設×東京科学大学 産学協働の建築生産研究拠点を開設
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※冒頭の画像はプレスリリースより引用