環境省は2026年9月1日、令和8年度「公共施設を主体とした地域での炭素循環事業モデル実証事業」の採択結果を公表し、川崎重工業が代表実施者として提案した「郡山市における一般廃棄物処理施設を主体とした炭素循環事業モデル実証事業」を採択したと発表した。共同実施者はエア・ウォーター東日本、東部ガス、日東紡績の3社。
本事業は、地球温暖化対策計画が示す2030年度・2035年度・2040年度の各目標および2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギーの主力電源化や省エネ技術の推進に加え、排出が避けられないCO2を回収・利用するCCU技術の導入を目的とするもの。環境省は、廃棄物処理施設等の公共施設の排ガスから回収したCO2を地域内で燃料や化成品などに利活用するCCUサプライチェーンを構築する技術実証について、令和8年6月12日から7月10日まで提案を公募し、応募のうち1件を採択した。
川崎重工は、郡山市富久山クリーンセンターに試験用として設置し、2026年5月から稼働しているCO2分離・回収設備「Kawasaki CO2 Capture」で回収したCO2を資源として地域内で循環利用する郡山モデルの実現を、郡山市および共同実施者3社とともに目指す。事業実施期間は令和8年度から令和11年度までを予定している。
郡山モデルは、一般廃棄物処理施設の排ガスから回収したCO2を「はこぶ」、CO2を原料として合成メタンを「つくる」、製造した合成メタンを地域で「つかう」というCCUサプライチェーンを構築し、地域の脱炭素化に貢献するものだ。
川崎重工は、固体吸収材を用いる省エネルギー型のCO2分離・回収システム「KCC」を開発しており、一般的な液体吸収法に比べて低温の排熱を利用できるためエネルギー消費を大幅に削減できる可能性があるとしている。同社と郡山市は2023年3月に締結した協定に基づき、ごみ焼却施設排ガスへのKCCの適用性評価を進めてきた。今回採択された令和8年度実証事業は、この技術検証の積み重ねを経て具体化したものだ。
一般廃棄物処理施設由来のCO2を地域資源として活用する動きは他地域でも行われている。佐賀市は2026年6月、清掃工場の排ガスから分離回収したCO2について、バイオマスや再生品などの持続可能な原材料を使用する企業・団体を対象とした国際認証制度「ISCC PLUS認証(マスバランス方式)」を取得したと公表した。清掃工場由来のCO2でのISCC PLUS認証取得は世界初としている。
【プレスリリース】環境省「令和8年度公共施設を主体とした地域での炭素循環事業モデル実証事業」に採択
【プレスリリース】環境省「令和8年度公共施設を主体とした地域での炭素循環事業モデル実証事業」に採択
【参照記事】令和8年度「公共施設を主体とした地域での炭素循環事業モデル実証事業」の採択について
【参照記事】世界初!清掃工場由来の二酸化炭素について国際認証(ISCC PLUS認証)を取得
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