世界経済フォーラムが主導するサーキュラー・カー・イニシアチブ(CCI)はこのほど、コンサルティング大手のアクセンチュアと共同で報告書「Driving Ambitions:The Business Case for Circular Economy in the Car Industry(野心を駆り立てる:自動車産業における循環型経済の事業例)」を刊行した。同報告書の概要は、以下のとおり。
循環型経済では、企業は現在の事業モデルの限界を超えた新しい価値を生み出し、バリューチェーンで収益性を1.5倍向上させ、自動車1台あたりの収益を販売価格の15~20倍にできる。価値プール(価値をもたらす過程)はサービスモデルやライフサイクル全体におけるサービスに存在し、製品のライフサイクルパフォーマンスを最大化することに重点を置いている。価値プールは、クロスバリューチェーン・技術開発・PaaSなどの画期的な事業モデルにより推進され、循環型バリューチェーンで実現できる。たとえば、モジュール式自動車設計は生産時にはコストとなるが、修理時にコストの1.5~4倍、廃車リサイクル時に2~5倍の利益をもたらす。先進的なリサイクル技術のコスト改善により、廃車処理と材料加工は現在より飛躍的に高い収益を上げ、低炭素材料の調達コストを削減できる。さらに、バリューチェーンが循環型になれば、PaaSや修理・再製造などの多くの事業例は車の燃費向上やイニシアチブの整合性から利益を得る。収益性の向上は、走行距離の増加による自動車販売の減少を上回る。
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Circular Economy Hub Editorial Team
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