スイス発の高性能ランニングシューズ&ウェアメーカーの「On」が、サブスクリプションサービスを開始する。2021年秋より、加入件数が必要最低数に達した地域の事前登録者に、完全リサイクル可能なランニングシューズをサブスクリプション・モデルで提供することを目指す。

サブスクリプションサービスは「Cyclon」と名付けられ、利用料は月額は29.99USドル(日本版:月額3,380円)となる。サービス加入者は最新のウェアを利用し、寿命を迎えた使用後の製品をその時点での最新モデルと交換できる仕組みだ。返送された使用済み製品はOnで新しい製品を作る原料となる。このシステムにより、Onにおけるバージン素材の使用と廃棄物を減らせるだけでなく、Onのユーザーが同社のリサイクルプログラムに参画し、廃棄物ゼロへの取り組みに貢献することを促せる。

サブスクリプションサービスの最初の製品は、サービス名同様「Cyclon」と名付けられた超軽量ランニングシューズ。キャッチフレーズは「あなたのものには決してならない、ランニングシューズ」だ。

Cyclonシューズは、Onが掲げる石油ベースのバージン素材への依存を軽減するというコミットメントを体現し、50%以上が植物のトウゴマから作られた素材でできている。そして持続可能性だけでなく、ランニング感覚とパフォーマンスを重視して開発されている。「サステナビリティとパフォーマンスが連携できることを示したかった」とOnの創設者の1人であり、かつてはプロアスリートだったOlivier Bernhard氏は語る。

Cyclon紹介動画「On | This is Cyclon – A Fully Recyclable Running Shoe」より

Onは、エネルギーと天然資源を保全しながら、環境への悪影響が最小限で経済的に健全な操業プロセスへの移行に力を入れる。石油ベースの原料の使用に伴う環境フットプリントの削減とリサイクル性を高めるための循環型素材の使用増に取り組むほか、炭素排出量の削減を目指すSBT(Science based Targets)にコミットしている。さらに、リサイクル100%の段ボールやプラスチックの導入により、2021年第4四半期までに梱包材についての課題に対処することも掲げている。

Cyclonランニングシューズは、2021年のリリースを目指してOnのイノベーションチームにより開発が進められている。Onの公式サイトでは、バイオベースの糸を使った単一ユニットのアッパーなど、その詳細が徐々に明らかになりつつある。シューズは可能な限り持続可能性に配慮するため、地域ごとの加入件数が必要最低数に達した場合にのみ、発送される仕組みだ。今後の登録状況を見守りたい。

【参照記事】 On launches sustainability initiative with the shoe you‘ll never own
【参照記事】Cyclon:リサイクル可能なシューズ。技術的詳細| On
【参考サイト】Cyclon: 100%リサイクル可能のサステナブルシューズ | On オンラインショップ