サステナブル・シーフードとは?
持続可能な漁業・水産業で獲られた魚介類で作られた食べ物のこと。具体的には、希少種の絶滅や、それによる海の生態系破壊を引き起こさない食べ物を指す。サステナブル・シーフードには「天然」と「養殖」の2種類があり、それぞれに認証マークがある。
一つは、海のエコラベルとして知られる「MSC(Marine Stewardship Council、海洋管理協議会)」の青いマーク。これは、水産資源と環境に配慮して獲られた天然の水産物に付けられるものだ。
そしてもう一つが、環境と社会への影響を最小限にして育てられた養殖の水産物の証である「ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)」の水色のマークだ。
持続可能な開発目標(SDGs)の14番目の目標である「海洋と海洋資源の保全・持続可能な利用」の達成のために一般消費者ができることとして、スーパーマーケットに並ぶ魚を選ぶときに「この魚は持続可能だろうか?」と一度立ち止まって考えることが大事だろう。
日本のスーパーはどれくらいサステナブル?
では、日本のスーパーマーケットはサステナブルなのだろうか。2018年3月末、国際環境NGOのグリーンピース・ジャパンが「お魚スーパーマーケットランキング7」を発表した。本調査は、国内大手スーパーマーケット15社を対象に、持続可能性と社会的責任に関する魚介類の調達方法があるかどうか、トレーサビリティがあるか、さらには労働者の権利が守られているか、という調査に対しての回答をもとに作成されたもので、1位にはイオンが輝いている。
調査結果を見ると、イオン、イトーヨーカドー、コープデリの3社が魚介類の調達の柱となる調達方針を公開していることがわかる。しかし、どの企業も絶滅危惧種のウナギとマグロ計7種のうち数種類を完全に調達しない、と定めてはおらず、洋上転載に由来する魚介類を扱わない、という決まりを設けている企業もない。
2017年度の調査から、新たに調達方針を策定・導入する企業はなく、全体的に大きな進展は見られない。スーパーマーケットにおけるサステナブル・シーフードの取り組みは、まだまだ改善の必要がありそうだ。
企業のサステナブル・シーフード導入事例
一方で、サステナブル・シーフードに積極的な企業もある。パナソニック株式会社が、2018年3月から、MSCおよびASC認証を取得したサステナブル・シーフードを社員食堂に導入した。大阪府門真市にある本社を含む2拠点での導入となり、企業が社員食堂で継続的にMSC、ASC認証された食事を提供するのは日本初である。
まずは本社で月1回提供することから始まるが、順次頻度・導入拠点を増やし、2020年には国内の全ての社員食堂での導入を目指すようだ。企業が率先して社員へのサステナブル・シーフードの理解を促し、そして消費行動の変革を起こすことが、日本においてのサステナブル・シーフード普及の一歩となりそうである。
【参照サイト】サステナブル・シーフード
【参照サイト】『お魚スーパーマーケットランキング7』発表 ーー個別の取り組みは進展も、絶滅危惧種は販売継続。 揺らぐ持続可能性の定義
【参照サイト】サステナブル・シーフードを社員食堂に日本で初めて継続的に導入
(※こちらの記事は、IDEAS FOR GOODの用語集「サステナブル・シーフード」を転載しております。)