米アマゾンはこのほど、顧客がよりサステナブルな製品を簡単に見つけて購入できるようにするための新プログラム、「気候誓約フレンドリー(Climate Pledge Friendly)」を発表した。さらに、気候誓約フレンドリーの一環として、CO2排出削減を目指して設計された製品の新しい独自認証プログラム「Compact by Design」も開始した。
同社はすでに、25,000以上の製品に気候誓約フレンドリーラベルを表示済みだ。このラベルはCO2排出削減など、自然保護に役立つ19の異なるサステナビリティ認証が1つ以上あることを示す。気候誓約フレンドリー製品のカテゴリーは、食品・家庭用品・ファッション・美容・パーソナルエレクトロニクス製品などさまざまだ。認証にあたって同社は、製品の安全性、健康、サステナビリティの変革促進を専門とする世界的な非営利団体 Cradle to Cradle Products Innovation Instituteなどの第三者機関と提携。サーキュラーエコノミーへの移行を後押しする。
19の認証のうちの1つであるCompact by Designは、より効率的なデザインの製品を特定する、外部検証された新しい認証だ。余分な空気と水を取り除くことで出荷の効率向上と包装の改善を促し、CO2排出量削減を目指す。例えば、洗剤メーカーの米・セブンスジェネレーションは、従来の100オンス(約2.8kg)の洗濯ボトルよりもプラスチック使用量が60%少なく、水使用量が50%少ないCompact by Design認証の超濃縮洗濯洗剤を提供している。米国の全世帯がセブンスジェネレーションの従来の100オンスの洗濯洗剤の代わりに超濃縮洗剤を1ボトル購入すると、年間22万トンのCO2排出量を削減できる。これは、5億4000万マイル(約8億6400万km)の走行距離に相当する。
また、洗剤メーカーの米ミセスマイヤーズの濃縮洗剤は、Compact by Design認証を取得したもう1つの気候誓約フレンドリー製品である。余分な水分を排除するように設計されており、32オンス(約907g)のボトル1本で16ガロン(約60リットル)以上の洗剤を作ることが可能だ。濃縮洗浄剤を使用すると顧客は購入頻度を減らすことができ、CO2排出量の削減に貢献する。米国の全世帯が非濃縮洗剤の代わりにこういった濃縮洗剤を購入すると、年間20万トンのCO2排出量を削減できる。これは、5億マイル(約8億km)の走行距離に相当する。
同社は、2040年までにCO2排出量ネットゼロ、2025年までに100%再生可能エネルギーへの移行を達成することを公表し、すでに10万台以上の配送用EVを発注している。また、世界の森林再生プロジェクトに1億ドル(約105億円)の投資を計画。さらに、製品とサービスで低炭素経済への移行を促進する企業支援を目的として、総額20億ドル(約2100億円)の「気候誓約基金(Climate Pledge Fund)」を立ち上げた。これらの取り組みに基づき、気候誓約フレンドリーを通じて、よりサステナブルな未来への取り組みに沿った製品に顧客が簡単にアクセスできるようにする。同社は、今後もメーカーと協力して、より多くの製品を認証していく予定だ。