ベルギーに本拠を置く、循環型経済移行に向けたプラットフォームを運営する非営利団体のReloopは2020年12月15日、プラスチック汚染と廃棄物の世界的な課題に取り組むために、政府がデポジット返却(返金)システム(DRS *1)をこれまで以上に採用していることを示す新しいレポートを発表した。 調査によると、2020年末時点で2億9100万人が使い捨て飲料容器のDRSにアクセスできており、2023年末までにさらに2億700万人増加する見込みである。

Global Deposit Book 2020 : 使い捨て飲料容器のデポジット返却システム」には、ヨーロッパ・オーストラリア・カナダ・米国・イスラエル・オセアニア・カリブ海を含む世界の40を超える地域で行われているDRSの概要が示されている。レポートでは、これらの国々について、以下の情報を得ることができる。

  • 法的枠組み(システムの法的根拠)
  • プログラムの範囲
  • デポジットの額とそれ以外にかかる費用
  • システムの運用方法
  • 返金システム
  • 返却率

レポート第3版では、近い将来導入予定の国々のDRSについても知ることができる。

*1 デポジット返却(返金)システム(またはデポジットリターンシステム)(DRS)とは

製品を購入する消費者が、購入時にデポジットを含む金額を支払い、使用後に使用済み製品(飲料の場合は空になった容器)を定められた収集場所に返却すると購入時に支払われたデポジットが返金される仕組みで、消費者が返却した使用済み製品はリサイクルされる。使用済み製品の回収率およびリサイクル率を高める有効な政策と位置づけられ、飲料容器の場合、世界40以上の地域で導入されている。

レポート概要より抜粋

この10年、世界中でDRSは大きく成長している。前回のレポートでは2018年末の時点で、約2億9000万人がDRSを利用していたと発表したが、それ以降マルタ(2022)、西オーストラリア州(2020)、ビクトリア州(2023)、トルコ(2023)、タスマニア州(2022)、ポルトガル(2022)、スコットランド(2022)、ルーマニア(2022)、スロバキア(2023)、ラトビア(2022)、シンガポール(2022)、ジャマイカ(2021)、ニュージーランド(2022)、イングランド、ウェールズ、北アイルランド(2023)などでプログラムの新規導入が発表された。

今後2-3年のうちに、世界で約5億人がDRSを利用することになると予測され、世界でより多くの飲料容器の回収と、高品質なリサイクルの実現が期待される。

【参照記事】Global Deposit Book 2020 | Reloop Platform