フィンランド包装大手Huhtamakiと英国慈善団体WasteAidが、南アフリカ・ベトナム・インドにおける地域レベルの循環型イノベーションを推進するために、90万ユーロ(約1億800万円)のパートナーシップを発表した。
この2年間にわたるプロジェクトは、WasteAidが廃棄物管理と循環型システムに関する教育や訓練を提供できるようにするためにHuhtamakiが金銭的支援を行うものだ。これによりWasteAidは、ヨハネスブルグ(南アフリカ)・ホーチミン(ベトナム)・グワハティ(インド)の主なステークホルダーと協力し、廃棄物と汚染を減少させる施策を迅速に推進し、地域社会により幅広い解決策を提供できるようになる。
Huhtamakiは創立100周年を迎えるにあたって、300万ユーロ(約3億5900万円)を影響力があるサステナビリティ関連のイニシアチブに寄付するとしている。これは、支援が必要な地域における教育とイノベーションに資金を提供するものだ。
Huhtamakiは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標12「つくる責任 つかう責任」が同社の主要ビジネスにおいて最も影響を与えられるものとして位置づける。目標に関連して、包装をリサイクル可能なものにすることや、再生原材料の含有率アップに力を入れている。また、4つのテーマ(人・容器包装・サプライチェーン・オぺレーション)に焦点を当てたサステナビリティ開発プログラム「Package For Good(社会を良くするパッケージ)」を掲げている。
WasteAidは、2015年に廃棄物管理の専門家によって設立された英国の慈善団体だ。低所得国においての低コストな廃棄物管理とリサイクルのノウハウを提供する活動を行い、地域住民自らがリサイクル関連ビジネスを立ち上げられるように支援している。
今回のパートナーシップについて、Huhtamaki 社長兼CEOであるCharles Héaulmé氏は、次のように述べている。「廃棄物管理や循環型システムなどの教育・訓練を通じて、地域社会を個別に支援していきたいと考えています。当社のサステナビリティに関する野心的な行動計画を実現するには、バリューチェーン全体での共創が必要です」
また、WasteAidの最高経営責任者であるCeris Turner-Bailes氏は、次のように語る。「サーキュラーエコノミーへの移行は、世界の発展に向けて大きな可能性を秘めています。Huhtamakiとの提携は、我々の組織としての発展に大きな影響を与え、重要なマイルストーンになります」
昨今、国を超えた企業とNGO・慈善団体のサーキュラー型パートナーシップが起こり始めている。今回のような大規模なパートナーシップが、今後さらに生まれていくことを期待したい。
【参照記事】Huhtamaki and WasteAid announce global partnership to drive community-level circular economy innovation in key locations
【参照記事】Global partnership with Huhtamaki on circular economy innovation