Sponsored by 環境省関東地方環境事務所
サステナビリティ領域でのビジネス創出の可能性を探究する新たな官民ビジネスコミュニティの創出に向けて「KANTO Sustainable Business Network(SBN)」が始動。初回のミートアップイベントがこのほど開催され、サステナブル領域のビジネス開発に取り組む企業、行政関係者ら77名が集まった。
今回のイベントは、環境省関東地方環境事務所が主催し、クラブツーリズム(東京都江東区)、ハーチ(東京都港区)、フューチャーセッションズ(東京都渋谷区)の各社が協力して実施した。サステナビリティが世界共通の課題と認識されて久しいが、企業を中心とした事業性との両立や自治体による地域の持続可能性の追求をめぐってはさまざまな課題がある。こうした中で、本ネットワークは同じ課題意識を持った主体同士で、事業性と社会性の両立を探求、実践するプラットフォームとして機能させることを目指す。
環境課題を地域での共創で克服するために
はじめに、環境省関東地方環境事務所地域連携チームの楠本浩史氏があいさつした。同事務所は、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブをはじめとする環境に関わる課題を、地域資源を活用しながらステークホルダーと共創することで克服することを目指して、2025年4月に地域連携チームを発足させている。楠本氏は「環境から地域を良くしていきたいとお集まりいただいた多くの皆さんと一緒に、ここからネットワークを作り上げていきたい」と呼びかけた。

イベントの前半では、各地のステークホルダーと連携しながら地域の環境課題の克服につなげようとしている3つの事例が紹介された。
最初に紹介されたのは、サッカーJリーグ・水戸ホーリーホックが取り組むソーラーシェアリングを活用したGXプロジェクト。2025年にJ2で初優勝して今季J1としてシーズンに臨む水戸ホーリーホックの本拠地がある茨城県は、北海道に次ぐ農業生産量を誇る。その一方で、耕作放棄地の増加や農業従事者の高齢化などの課題を抱えており、クラブとして農業に取り組んでいる。自ら運営するGRASS ROOTS FARM(茨城県城里町)で選手や地域の子どもたちを巻き込んで参加型農業を展開しながら、耕作放棄地を活用して農業を行いながら太陽光発電を行うソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)による地域循環共生圏づくりへの挑戦を始めている。

発電した電気は農園での自家消費とともに、町内2カ所の道の駅へ売電する。農作物は有機JASの取得を目指すとともに、ホームゲームでの販売やサブスクによる直販での展開も見込む。チームの運営会社、フットボールクラブ水戸ホーリーホック執行役員・瀬田元吾氏は「GXプロジェクトには、Jリーグの他のクラブからも問い合わせが来ている。Jリーグには60クラブあり、41の都道府県、自治体の87%をカバーしている(2025シーズン時点)。Jリーグを媒体に、他の地域へも横展開していけたら」と先を見据える。

次に紹介されたのは、ヤマハ発動機による海ごみ収集機の開発。海洋プラスチック問題への危機感の高まりを受けて全国各地でビーチクリーン活動が行われるようになり、浜辺にゴミが散乱しているような状況が見られることが以前より少なくなった地域もある。しかし、浜辺の砂に目を凝らすと、色とりどりの微細なプラスチックがちらばっている。人の手では拾えないマイクロプラスチックを効率的に拾えるようにできないかという現場からのリクエストで開発したのが、こちらの海ごみ収集機だ。

開発に携わった同社技術・研究・デザイン本部 新ビジネス開発部シニアチーフの臼井優介氏は「器具のコストなどまだまだ課題があるが、今後は海洋プラスチック問題を抱える自治体等と連携しながら器具の実用性を確かめたい」などと話した。

最後に紹介されたのは、クラブツーリズムによるサステナブルな観光による地域活性化の事例。同社は、観光地で消費して終わりという従来型観光から、お金を払って自然環境を守る体験を盛り込む循環参加型観光への転換を目指す中で、福島県と山と渓谷社と共同で尾瀬での登山道整備体験ツアーを企画。大雨などによる浸食で損傷が進むにもかかわらず、予算不足などから整備が追いついていない登山道の整備を、旅行者に体験してもらうというものだ。

当初はお金を払ってまで参加する人がいるのかという見方もあったが、ツアーを2回実施し、19名の旅行者が参加した。同社 マーケティング本部 テーマ旅行部 アウトドア旅行センター 事業開発チームの窪田一紀氏は「ツアーを通じて、お客様から山の守り手になった。初心者でも登山道整備できる第一歩としては成功したが、今後はさらに全国の登山道整備にも広げていきたい」などと述べた。

異業種での共創プロセスを体感
イベントの後半では、サステナビジネスフューチャーセッションと題して、参加者によるグループワークが行われた。参加者はグループに分かれて「紹介された事例で印象に残ったことは?」「もしかしたら使える、あなたやあなたの会社のリソースは何か?」「会社、個人として取り組みたいサステナビリティテーマは何か?」という3つの問いをもとに意見交換した。
その後はクイックプロトタイピングとして、この日初めて集まったグループメンバーでサステナブルビジネスプロジェクトの企画書を書いてみるというワークをやってみることに。お互いのリソースと関心テーマを掛け合わせて、各グループで実現したいサステナブルビジネスを考えてもらった。


本イベントの締めくくりの挨拶で、環境省関東地方環境事務所の庄子真憲所長は「初めての試みにもかかわらず、こんなに多くの皆さんに熱のこもったディスカッションをしていただきました。東日本大震災から今年で15年。2050年のカーボンニュートラルとともに、サーキュラーエコノミーやネイチャーポジティブを実現していくためには、環境問題として考えるだけでなく、地域づくりや新たなビジネスとともに取り組むことで持続可能な社会が生まれると思います。皆さんとの出会いを大切にし、未来に向けてチャレンジしていきたいと考えています」などと意気込みを語った。

同事務所は、2026年度もオンラインやオフラインなど何らかの形でSBNコミュニティを継続していきたいとしている。地域のステークホルダーが連携しながら環境課題の解決を目指すことに関心を持つ企業団体や自治体の皆さんには、SBNのこれからの取り組みにぜひ注目して参画していただきたい。
【イベントリリース】
「KANTO Sustainable Business Network」開催!
【関連リンク】
関東地方環境事務所 – 環境省
クラブツーリズム株式会社
株式会社フューチャーセッションズ
ハーチ株式会社





