スウェーデンに本拠を置くアウトドアブランドHoudini(フーディニ)のオープンソースイニシアチブ「Project Mono Air」が、マイクロファイバーの放出を大幅に減らすフリースジャケット「Mono Air Houdi」を販売している。同フリースジャケットは2020年1月に、スポーツおよびアウトドア業界で最も革新的で優れた新製品に贈られる世界的な賞「ISPO AWARD 2020」アウトドア部門で Gold Winnerを受賞した。

同フリースジャケットは循環型ライフサイクルを可能な限り実現し、高性能であることが特徴だ。リサイクル可能な再生ポリエステルが73%配合されており、一般的な高品質フリースと比較してマイクロファイバーの放出を最大80%削減する。また、単一素材のみを使用するとリサイクルしやすくなるため、同イニシアチブでは1着の服を天然繊維と合成繊維を混合せずに製造している。生地は無駄を最小限に抑えて裁断され、染色には人や自然に害を及ぼす可能性のある物質が使用されていないことを保証する、スイスに本拠を置く第三者機関「Bluesign」が認定した染料のみを使用している。機能性も卓越しており、軽量で伸縮性と耐久性に優れ、通気性と耐風性のバランスもよく、スキーや登山、ハイキングなどに最適だ。

Project Mono Air 紹介プロモーション動画(出典:Project Mono Air公式HPより)

Houdiniは責任ある生産への取り組みの一環として、顧客にも参加を呼びかけている。リサイクルのための衣服返却を促すとともに、マイクロファイバーの放出を最小限に抑え製品寿命をのばすことを目的として、衣服の洗濯方法と使用方法を顧客に伝えている。さらに、代替繊維の開発と、既存の素材からのマイクロプラスチック放出をなくすことを目指し、複数の研究およびイノベーションプロジェクトに参加。技術革新加速を目標に、部門を超えた多くのコラボレーションも開始しており、洗浄におけるマイクロプラスチック放出を抑制する数々のフィルター試験も実施する。

Project Mono Airは、すべての知識を共有し、より優れたものをつくるという「オープンソース」の概念に基づいて、協調的な考え方を奨励し、アパレル産業の長期的変化と持続可能な開発の推進を目的とする。実際に同イニシアチブは、Mono Air Houdiの原材料や設計、循環型の原理などの情報を公開している。

【参照サイト】Project Mono Air