オランダ・ロッテルダムのベンチャー企業Pieter Potがローンチした、プラスチック包装ではなく再利用可能なガラス製食品容器で宅配し、容器を回収するサーキュラーエコノミー(循環型経済)志向のネットスーパーマーケットが話題になっている。
Pieter Potでは、オンライン上で注文した商品が再利用できるジャー型のポットに入れられて、容器を回収する際に使う袋とともに届く。容器は洗わずに袋に入れ、次の注文時に回収される。回収された容器は保管され、次の注文時に利用される形で循環するという。
量り売り店舗の“不便さ”を解消
欧州では一人当たり年間平均30キログラムものプラスチックを排出し、その3分の2が容器包装から生じるとされる。このため、さまざまなスーパーマーケートが持参した容器での量り売りを行っているが、その不便さから手をつけていない人も多いようだ。
これに対して、Pieter Potでは顧客側でプラスチックをはじめとする食品容器がごみとならないため、量り売りするお店に容器を持参することに不便さを感じていた消費者から人気を集めている。
同社の商品のほとんどは仕入れ先の名前のみが記載されているシンプルな包装で、倉庫での容器包装ごみの大幅な削減にもつながっている。仲介業者を挟んでいないため、新鮮な商品をスーパーと同等か低価格で購入できることもアピールポイントとなっている。
Pieter Pot には2020年末時点で3000人が顧客登録した上、すでに3万人がウェイティングリストに登録されてサービス開始を待っているという。Pieter Potのモデルが今後の小売業のサーキュラーエコノミービジネスモデルの主流になるのか、注目していきたい。
Pieter Potウェブサイト:https://www.pieter-pot.nl/
木村 麻紀
環境と健康を重視したライフスタイルを指すLOHAS(ロハス)について、ジャーナリストとしては初めて日本の媒体で本格的に取り上げて以来、地球環境の持続可能性を重視したビジネスやライフスタイルを分野横断的に取材し続けている。サーキュラーエコノミー(CE)における関心領域は、CE×社会包摂的まちづくり、CE×教育など。SDGs.tv公認ラーニングコーチ。
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